自然の摂理と知恵を生かした防災WS’24

第1回「防災とパーマカルチャーの全体像」

防災については、阪神大震災当時、幸い避難所生活なく過ごせたものの、日々いつ起こってもおかしくないかもしれない震災に対して、その時どこで何ができるのか漠然とした不安感と共に、対処を身につけたいという興味もありました。
パーマカルチャーについても、防災においてどう繋がるのか学び直しの機会としても参加してみたいと思いました。
開催場所は、神戸震災復興記念公園「みなとのもり公園」。私にとっては芝生に愛兎を連れて安心してのんびり過ごせる馴染みの場所でした。
その癒しの場である事や、実はドングリから育てられた森があること、防災機能がある公園ということなどを、周りの神戸市民でもまだ知られていないとも耳にして、残念だなと感じたりもしていました。とはいえ私もそれらを知ったのはごく最近でもあり、実際は防災機能するものかどうか、どう活かすものなのか肝心の経験や知識が不足していたりの状態だったりします。

講座の中では、まずはじめにこの公園の成り立ちや運営システムを、メンバーの方の思いも一緒にお話してもらいました。
それに続いて、パーマカルチャー関西のお2人から、パーマカルチャーの成り立ちや、人に限らず地球上の様々な生き物や自然の摂理に沿って、自然界の中
でのパターンを元に大事なキーワードについて、パーマカルチャーの導入のような内容を聞かせてもらえました。
そして昼食は炊き出し形式というので、防災というテーマに沿った特徴的なものでした。初回は受講者が被災者という設定の下、自身も混ぜたり焼いたり役割を持って参加でき、暖かく食欲をそそられる想定での、お好み焼きとおにぎりがメニューに設定されていました。実際、被災地で炊き出しをされた経験を元に作りながら教えて貰え、早速、五感と実体験として経験できました。

公園については、ただただ行政主導ではなく市民が参加し、それぞれの部(ハーブや森の木、防災など)に分かれ日々活動しながらも、この公園を通じて作り続けていくという「作り続けて行く公園」という理念が印象的でした。
震災後に復興記念として作られた意義をこれからの公園に繋げて、今回のような防災ワークショップが開催されたことで、ここで学んだり身につけた経験が備えにもなり、ここから色んなところに繋がるようなイメージにもなりました。
それは、公園という、癒しや憩いのと場所であると共に、震災時にも使える馴染みの場としても日常からの延長であるという場所で、そこを活かせる人がいること、そのどちらもが必要なんだろうなと感じました。防災というのが、その時だけ出来たら良いとか、誰かが出来たら良いというものではなく、日常から身に付けておくべきこと。それは、特別なことではなく、被災者となっても、はたまた援護者側になっても、それぞれの心持ちをイメージしながら、それぞれが身につけていることを繋げて活かし合うことの大事さも感じました。
そこにパーマカルチャーが入ることで、ただ人間だけのための防災、人間さえ良ければというものではなく、自然や他の動植物たちとの繋がり、循環や多様性を日常からイメージ出来ることで、防災においてもそれらを大事にすることは、ゆくゆくは、人間たち自身も守られることになるのでないか。
そういう意味でも、防災とパーマカルチャーは、とても親和性があり、それぞれが高まる可能性があるようにも思え、これからそれを経験を通じて深めていけたり、参加者それぞれの個性を通じて高めていける楽しみとやりがいを感じました。
パーマカルチャー自体は海外で提唱され伝わったものだけど、自分たちが暮らす日本で学び実践していくことで、日本のパーマカルチャーというものが出来上がって(既に里山や伝統文化して日本独自に存在した部分も含め)いけたらというイメージも広がりました。
自然としてのアグリカルチャー、人としてのカルチャーがパーマネントな関係と繋がりになる事。
今回の講座には、市街地という利便性もありますが、私含め神戸市民とともに、奈良など市外県外からの参加者も多くおられてびっくりもし、地域を跨いだ繋がりもまた良いなと思いましたし、市街地や都会だからこその防災や日常的な人の繋がりや備えも必要で活かされる可能性もあるのかもしれないとも感じました。
今回の講座で、自身の経験としても、自分の身近なところから、それらを繋げていけたらなと思います。
(安川エリナ:受講生)