「22' パーマカルチャーデザインW.S.@イヒカ 」レポート

■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第7回 アイテムデザイン 

 

このパーマカルチャーデザインワークショップは会場を変えながら3年目になります。
これまではランドスケープデザインまでとして、最後のアイテムデザインを敢えて入れていませんでした。
しかし、興味のある方が多かったので、エキストラ講座として希望者で開催しました。

先ずは、アイテムをデザインする際に関わってくるパーマカルチャーデザイン原則の説明をさせていただきました。
それに続き菜園の植え床、コンポスト&水の貯め方・使い方・処理の仕方などをカタチ、素材、システムの色々なバージョンでお見せして、その特徴や長所短所について、経験をもとにお話しさせていただきました。
それらを通して、イヒカのランドスケープデザインの1つ1つのアイテムの詳細イメージがより明確になったと思います。

このアイテムデザインは、自分は何をしたいのか、どんな暮らしをしたいのか、という自分の根本的な一番の中心軸であるコンセプトデザインから始まり、最後にそれを実現するための詳細デザインとしてのアイテムがあるのですが、時として私たちはアイテムを揃えるところから入りがちです。
パーマカルチャーでイメージするアイテムはなんでしょうか??

スパイラルガーデン?キーホールガーデン?コンポストトイレ?
ともすれば私たちはそれらのアイテムの消費者となり、自分には本当は必要のないものをつくりもってしまうことがあります。
確かに創ることはそれ自体が学びと充実を与えてくれる有意義なもので、それはそれ自体が大切な段階でもあることは重々知っています。

しかしそこから一歩進んで、人間に対する配慮の基本である自分自身に対する配慮を大切にした時、自分自身が実現したい事によって紐付いてくるアイテムは変わってきます。

ビル・モリソンはこの様なことを言っています。
「必要なものがここになければ労働が生まれる、ここにあるものが活用されなければ汚染が生まれる」
この言葉はとても的を射ています。

今回の講座は、場所と人に出逢い、様々な観察をして、コンセプトをデザインし、それを実現する為の戦略を練り、循環するシステムを考え、空間的に配置し、今回アイテムの詳細をイメージしました。

それら1つ1つの文脈とそれを構築する時間が今後のこの場所の芯となることでしょう。

オーナーさん、参加者の皆様、講座スタッフ、皆さんの存在がとても充実してとてもリアルな講座を創り上げました。

トランジションタウン・イヒカの今後が楽しみです。
イヒカペースで1つづつゆっくり確実にこの下絵を実現していきましょう!

(橋本憲一郎:講師)


 ■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第6回 ランドスケープデザイン


デザインワークショップの最後となる今回の講座のテーマは「ランドスケープデザイン」
これまでの5回の講座で学んだり話あったりした事をメイン・サブコンセプトを基に「イヒカ」という場に必須要素を配置していく作業です。
午前に「ランドスケープデザイン」についての講義、午後からはグループ単位と個別とで分かれそれぞれにデザインを考えまとめたあと各自発表していきました。

今回の作業を経験してみてこれまでの5回の講座で学んできた一つ一つの行程の意味や重要性が自分の中でクリアになりました。

デザインの中心となるコンセプトをしっかり考えること、必須要素を配置するときの位置関係とその"関連性"やインプットとアウトプットによる"循環"を常に意識してデザインを考えることの大切さやパーマカルチャーが関係性のデザインと謳われていることが改めてとても腑に落ちる講座になりました。

他の受講者のみなさんの発表もそれぞれ独自の視点や考え方があり、とても学びになりました。

オーナーのたけちゃんとご家族と同じく、今まさに自分たちで場を作っている只中なので、今回の一連の講座を受講出来たことはとてもタイムリーであり意義深いものになりました。

今回の講座を開催してくださった憲さんとあびくさん、イヒカのオーナーのたけちゃん、そして楽しく有意義な時間を共有させていただいた受講者のみなさんに感謝です。
ありがとうございました。

次回のエキストラ講座"アイテムデザイン"が今から楽しみです。

(堀口雅司:受講生)


 ■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第5回 システムデザイン

今までの、観察~コンセプト~ストラテジー~の振り返りから始まった今回。
それらを踏まえて、皆さんで、何にどんなアウトプットがあり、
どのインプットになるのか、システムデザインを考えていきました。
実際的な、水や栄養などの循環に加えて、意外と忘れがちな人の行動について
の循環…などを、対話しながら打ち出していきました。

4回の間に打ち解けた雰囲気の中、ゆるゆると思い思いに話す。その場だけでも、
イヒカという場に対するみんなの思いが循環していく様で、とても有意義な
時間になりました。
そんな中、コンセプトのあり方についても考えることがありました。伝えたい
内容は同じでも、それがオーナー自身に対する言葉である場合と、それを共有
したい人に対しての言葉では、表現に違いがあることなどにも気づかれされ、
よりデザインが煮詰まってきた気がします。

次回は、いよいよランドスケープデザインです。皆さんとイヒカのデザインを
作り上げていく工程もまた楽しみです。

(あびく:パーマカルチャー関西スタッフ)


■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第4回

今回の講座では、オーナーの望みを叶える方法をデザインしていく中で、サブコンセプトの発表があり、さらに具体的なイメージが湧いてきました。

 

「オーナーの望み=地域・外空間の特徴」となるようにすり合わせていく作業がとても面白かったです。

元々、コンセプトとなるものは、オーナーたけちゃんのブレない気持ちが根底にあるのだけれど、それは、自分自身は、表現しにくく見えにくいものなのであり、受講者に心の内側を見せて紐解く作業は、しんどい気持ちになることもあったのだと思います。

 

しかし、その工程を経たことで、「ゼロ地点」に立ち「共有する」ことにより受講者全員で前進していけるようになったと思います。


また、受講者それぞれが自分の(私は、特にそう思いました)フィールドに置き替えて、根幹である大切なコンセプトを見出せる道筋となったのではないでしょうか。

 

コンセプトデザインは、「物事のパターン」や、俯瞰的な視点で物事を捉えられるので、あらゆる活動や暮らしの中で、今後さらに取り入れていけるように意識したいと思います。

 

次回は、システムデザイン、益々楽しみです。

(木村紀子:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第3回 

 
第1回目はパーマカルチャーの全体的なお話、
第2回目はオーナー・たけちゃんのインタビュー、能勢町在住の西田さんによる地域のお話、パーマカルチャーデザインを施すイヒカの観察を行い、

第3回目となる今回はパーマカルチャーの根幹に入っていく。

第2回目に行なったオーナー・たけちゃんのインタビューを振り返る中、want、needは拾えるが、beにあたる回答をつかみ取る事が出来ないでいる旨、オーナー・たけちゃんがシャンパンタワーに注ぐ水と自分を重ね合わせた【心の言葉】を話し始めた。

 

それはまさしく、今回の講座のテーマ【コンセプト・デザイン】に欠かせない話だったように感じる。

午前中はオーナー・たけちゃんの【心の言葉】を受け取った参加者が各々の言葉で話す。たけちゃんへの質問もどんどん核心に近づいていくような雰囲気だった。Zone-0という言葉を初めて聞いた。たけちゃんを中心に置いた時のZone-0、イヒカを中心に置いた時のZone-0。
【私】という言葉一つで多くの思考が交差し、午前中の部を終え、お昼ご飯で少し場が和む。


午後からはオーナー・たけちゃんの想像力を増幅させるかのような【食べられる森】から連想する【各々の森】の話。イヒカの森がどんな風に育っていき、何を生み出していくのか?楽しみだ。シンプルにナチュラルに、そして自由自在に。そんなイメージが沸き起こる。

【パーマカルチャー】というワード自体には馴染みが深い。しかしながらその実、余り細かく学んだことはなかった。

【パターン】人の思考のパターン、年齢による思考変化のパターン、人が原点回帰とも言える物や場所、環境へと戻っていくパターン、講座の中で、そんな風に自分自身、捉えていくと自分の活動や周囲の変化にもパターンがある事に気づく。

【コンセプト】先に書いたZone-0に位置する部分が如何に重要であるのか?そこに辿り着く作業は時間をかけ丁寧に行う事が大切だと感じた。

第3回目の講座を終えて、たけちゃんと言うフィルターを通して、或いはたけちゃんが吐露するという行為を経て、講座参加者の距離が近くなったように思う。
イヒカをパーマカルチャーガーデンに仕上げていく講座ではあるのだが、受講している者の一人としてどんどんと自分事になっていくイメージ。
想像力を膨らませ、ワークを進める中、常にあるのは【自分ならどうする?】

【自分を満たす場所】から溢れだし、分かち合う物は実は既にあの空間にあるように思う。

(田中秀則:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第2回 観察

第1回でパーマカルチャー概論を終え、いよいよワークショップ本題に入ります。第2回は、「観察」がテーマでした。
時代や社会の俯瞰から始まって地域性に移り、当該の敷地から施主の望みへと観察を絞り込んでいく興味深いワークとなりました。
まず、時代や現代の社会を映すワードを全員から集めて観察を深めていきます。短時間で多人数が時代の一端を共有できる面白い手法に思えました。

第二段階の地域性については、銀寄で地域の盛り上げに尽力されている西田さんが、能勢や周辺地域についてお話をされることから深められていきました。牛で犂作業をした最後の世代、貧しさゆえに機械が買えず家族総出で農作業したという話には驚きましたが、そのためにかつての農的な暮らしを豊かな人格に体現できている、そんな印象を持ちました。

昼食をはさんで次の段階は大竹家の敷地の観察に移ります。短時間でしたが皆で敷地内を観察し、個々人の気づきを出していきました。太陽、風、水の流れ、植生、土質、近在の人間関係、敷地内の構造など、皆の気づきの数々から敷地の観察を深めました。

最後に施主の大竹さんがこの敷地でどんなことを実現したいのか、本人の望みの観察です。大竹さんの願いは、食べられる庭を作りたい、お茶作りも含む自給菜園、果樹、染のための植物たちのステージにする、ミツバチが来る栗林、ヤギやニワトリがいる庭にしたい、家は公的空間と私的空間を区分し縁側の石積みはもう少し開放的にする、玄関側は多少目隠しの構造を入れる、こんなところでしょうか。
「他者のために行動するというより、自分の暮らしを豊かにすることで他に及ぼしていきたい」と明言されるところが、社会課題に押しまくられる傾向のある自分と比べ、思うところがありました。
大竹さんへの質問コーナーでは、進行の橋本さんが、本人がどうしたいかを聞くのでなく、何故そうしたいのかという観点から質問してほしいと言われたのが印象的でした。次のコンセプトに入るには、その望みが何かより、その望みが何を目標にして実現しようとしているかが重要であり、場合によっては本人が言葉にしていないことへの気づきが見つかる可能性もあるからです。

全体としてよく練られた納得のいくワークだと思いました。自然も社会も歴史もすべてにパターンが存在し、パターンを読むことで対象の深い認知に至ること、対象への働きかけ、加工がエッジを作り対象に変化が生まれること、何度か橋本さんが口にされた「パターン」と「エッジ」は、僕たちが現実と向き合う時に非常に有効な概念だとつくづく思ったことでした。    

(えーちゃん:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ
  @トランジションタウン能勢(イヒカ) 第1回 パーマカルチャーの基礎

私は初めてパーマカルチャー講座に参加しましたが他己紹介で始めるという
ことがとても素敵だなと思いました

自分の意図で自分のことを伝えるのではなく、相手のことを相手の意図を汲
みながら他人に伝えなければいけないということで、お話を聞くことに集中
できました。

また、そうはいっても「自分のフィルター」を通して言語化するため、
二人の人間の意図が混ざった「全く新しいその人像」を生み出しているよう
で、そこがとても面白かったです。

その後学ぶパーマカルチャーの概論で出てきた「DE」「SIGN」の、それ
までの決まったものや常識を超えた新しいものを創造するという意味を
聞いて、他己紹介も一つのデザインだったことに気づいて感動しました。

他にも強く感じたのは「自然のパターン」の中には宇宙の理(ことわり)が
あるということ。理に沿っていれば永続性や循環性を持てるということ。

そして「合理的」というのは単純に効率的なことではなく「ことわり」に
合ったもののことなのだということです。

パーマカルチャーの概念を伺ったことで、これまで点と点だったものが線になったように色々なことが腑に落ちました。
これから始まる実際のワークと学びも楽しみにしています

(花多山寛子:受講生)