2022

城の西 はらっぱ
@スローソサエティ


 ■持続可能なエネルギーとロケットストーブづくり
@NPO法人スローソサエティ(姫路市)

11月28日(日)1年以上ぶりに、パーマカルチャー関西代表の橋本憲一郎さん(通称けんさん)をお呼びして、上記セミナーを開催しました。

 

この会場では「1年に1回、憲さんの顔を見たら年末が来る」という季節行事になっています。
はらっぱ(主催NPO事務所の裏山)を永続可能な空間にしようということで、令和2年度から始まったプロジェクトですが、今年度は、キッチン・調理・エネルギーをテーマに開催しました。

 

どうしてもアイテム(ロケットストーブ)が目立ってしまいますが、大切なのは、原理です。
ロケットストーブがなぜこんなにも少ない薪(小枝等)で大きなエネルギーを生み出すのか、それを知ることが大切。このロケットストーブの作り方だけを学んでいては、同じ材料を調達しないと作ることはできません。原理がわかれば、そこらにある材料を活用して同じようなものを作ることができます。
例えば災害時、がれきや自然の材料から作り出すこともできます。

 

今回の大きなテーマは「風」。
大気の流れ。これはどのように生まれるのでしょうか。
話は、太陽と地球から始まり、地軸の傾き、地球の赤道と北極・南極になり、我々が住む日本の風、姫路の風について絞り込まれていきました。
風が起きる原理をうまく活かしたのがロケットストーブ。冷たい空気は暖かい空気の方に流れていき、風が生まれます。
それはまるで、ドライヤーの風のように。
そうすることで、燃焼に必要な酸素がどんどん供給され、炎がゴーーーーーー!!! 音を立てて燃えます。
この音がまるで、ロケットが飛ぶ時の音のようだということで、ロケットストーブと名付けられています。

 

講座の中では、憲さんの小話もあり、それがまた楽しいのであります。
「地軸は23.4度傾いています。
そのおかげで、季節が生まれ、多様性が生まれ、生命が育まれました。
だから、僕たち人間も、みんなまっすぐじゃなくて、少し傾いているくらいがバランスが取れていいんですよ。」

うまいこと言うよねー。その通りだよ。
型にはめたような教育はよくないよねって私は思います。
さて、さて、
あったかーい鹿肉おでんを囲んだランチタイムのあと、午後からはロケットストーブづくりをして、みんなで助け合いながら、完成させました!
最後に、できたてロケットストーブで沸かしたお茶と米やん特製リンゴケーキは格別で疲れも吹っ飛びました。
そうそう、今回は、マグネシウムの棒(ファイヤースターター)で火花を出して、火をつけました。まるでマジックのようで、火が付いた瞬間は感動。
あれほしい!!さっそく後日手に入れたのでした。

(カスピー:NPO法人スローソサエティ スタッフ)


2021

城の西 はらっぱ
@スローソサエティ


■ようこそパーマカルチャー
 〜風・土・樹を旅する丘で小さな循環を生み出そう〜
 第3回「コンポストづくり」

私は講師ケンさんの大ファンであり、講座で学んだことを、家庭、職場、活動で生かしたい、という思いから、前回のデザインワークショップに続き、今回も参加させていただきました。
午前中は座学で"土"についてのお話と、参加者からケンさんへのお悩み相談を。
午後は、残渣コンポスト(畑で出る、野菜の茎など、人間の食べない部分を土へ還すコンポスト)作りと、落ち葉コンポスト作り、肥料作りを行いました。

今回の、土についてのお話、私は今後の人生のテーマをいただいたように感じました。書ききれませんが、心に残った内容をいくつかご紹介します。

・「すべての命は土を豊かにする存在(いつか土に還る)」
・「人間が存在する豊かさは、早いスピードで命を土に還せること」
人間って、地球によくないことばかりするのかな、と感じていた私にとって、衝撃の言葉でした。

・植生遷移の図から見えてくる、土の豊かさと、生きものの多様性の比例。
・パーマカルチャー実践者さんの「healthy soil, healthy food, healthy body」
(健康な土に、健康な食べ物が育ち、健康な身体が育まれる)そこにきっと続く、healthy mind, healthy society...という言葉。

・「わたしたちはお金を残すことはできないけど、良い土を残すことができる」という映画「人生フルーツ」からの言葉。

・森が背骨。
・パターンとは普遍的なエネルギーの流れ、それを読み解き、そこに合わせていく。
良い土を育む、そのお手本が、「森」で、私たちが森にいたり、土に触れていると安心するのは、本能的に、自分が生まれたところであり、還るところであると、

感じているからなのかな、と感じました。

また参加者の17歳の青年の「コンポストから発想する言葉は自由」という話から、ケンさんの、
・良い土の上に自由(多様性)が形成される。
という言葉。

台湾出身の学生さんが教えてくれた、
・土生土長(トゥーシェントゥーチァン)、
例えば「日本土生土長」とは「日本出身」を意味するという、
「その土に生まれ、成長した」という言葉。
ともかく、土にまつわる名言だらけの講座でした。

具体的に土にするという行為は、酸素、水、温度という鍋の中に、炭素、窒素、微生物、ミネラルをバランスよく混ぜこむという、微生物のための料理のようで、命を美味しい土に還すことのできる地球人になりたい。と心から思いました。
ありがとうございました。

(片岡海里(みのりん):受講生)


■ようこそパーマカルチャー
 〜風・土・樹を旅する丘で小さな循環を生み出そう〜
 第2回「菜園づくり」

今回の講座は、午前中に屋内でゾーニング・セクター・スロープ等のパーマカルチャーの基礎について勉強しました。
その後、お昼から講義終了までは屋外でレイズベッド、積層マルチ、コンパニオンプランツ、植え付けを実践的に勉強しました。

(午前)
〜 ゾーニング 〜
必要性や使用する頻度でゾーニングを決める。
例)農的暮らし
ゾーン0) 家
ゾーン1) よく食べる野菜・果物が植えている菜園、ニワトリ小屋
ゾーン2) 果樹園、フォレストガーデン
ゾーン3) 田んぼ
ゾーン4) 里山。薪炭材、山菜、狩り
ゾーン5) 奥山。野生生物

〜 セクター 〜
太陽・風の動きや水源、近隣住民、野生生物の習慣等を観察し、各区分に適する植物or建物を配分するようデザインする。

〜 スロープ 〜(傾斜)
傾斜には主に二つのエネルギーが働いている。
1) 南面(北半球)の傾斜におけるエネルギーが著しく高い。
2) 重力の働きを生かした位置エネルギー。例)斜面の上部に溜め池を作ると水が自動的に下へ流れる。

(午後)
レイズドベッドづくり
(ポイント):木が長持ちするには、空気、栄養、温度、水が大切。
1) 木材を幅2m、奥行き1mで切る(土の上で切るのを避けるため、捨て木の上で切る)
2) カセットバーナーで、両面に焼き目をつける(木材を長持ちさせるため)
3) 木材を四角形に並べる(レイズドベッドのサイズが広すぎると作業する際に余計な労力をかかるので、自分に合った程よいサイズにすること)
4)カスガイで木同士を留める(通気性をよくするため、ちょっとした隙間を残すことが重要)

積層マルチの作り方:
(ポイント):窒素(N)と炭素(C)を交互に重ねていきます。保水。草の抑制、温度の調整、微生物が住みやすい環境づくり
1) 真砂土と牛糞を5:5で混ぜます(これがガーデンベッドの床土になる)
2) 米糠(窒素)
3) 新聞紙(炭素)で満遍なくカバーし、乾燥しないように水をかける。
4) 醤油のしぼりかす(窒素)
5) わら(炭素)
6)油粕or醤油のしぼりかす(窒素)
7) 杉とヒノキの樹皮(炭素)で完成です!

植え付けの際は、ギルトとコンパニオンプランツを機能させるために、それぞれの品種がもつ性質を理解し、交互に植え付けする。

最後に、二回目の講義を受けて僕の感想を書かせていただきます。
パーマカルチャーの基本原則を覚えても、実際に菜園づくりをする時にできるかと言うとそう簡単には行かないです。そのために、パターンを覚えたり、観察をしたり、生物種がもつ性質を理解したりすることが必要だと思います。今回の講義で積層マルチを実践したことで、私はパーマカルチャーについて実際に学んだことを、どのようにして現実に生かすかが少しながら明確になりました。そして、自然界の生かし合うシステムを面白く思いました。次回の講義も頑張ります。

(何弘毅(ほんちゃん):受講生)


■ようこそパーマカルチャー
〜風・土・樹を旅する丘で小さな循環を生み出そう〜
 第1回「パーマカルチャーデザインについて」

昨年度「パーマカルチャーデザインワークショップ」を実施し、コンセプト→ストラテジーデザイン→システムデザイン→ランドスケープデザインを考えました。
その続きとして、今年度はアイテムデザインに進もうと、「ようこそパーマカルチャー」を開催することになりました。


講師は引き続き、パーマカルチャー関西代表の橋本憲一郎(通称ケン)さん。
9月〜11月にかけて全3回開催し、パーマカルチャーの基礎を学びながら、菜園とコンポストを実際に作っていく計画です。


第1回目の9月30日(木)は、初めましての自己紹介タイムからスタートし、パーマカルチャー概説、パーマカルチャーなアイテム紹介、会場となるはらっぱの見学等を行いました。
自己紹介タイムから、みなさんの日々の活動や興味などに触れ、似たような興味を持った方が同じ場所に集っているということだけで、とてもパワーを感じました。

さて、パーマカルチャーってなんだろうか?
パーマカルチャーって検索してみると、緑・土・石がたくさん出てきて、なんとなく、自然とか菜園とかに関する作法みたいなものだと思ってしまいます。
実は、パーマカルチャーとは「関係性のデザイン」なのですよね。
人・物・植物・動物などの関係性です。
それぞれが持つ要素をうまく組み合わせることによって、機能・時間・空間などが有効に生かされ、豊かにストレスなく永続的に暮らしていける、そんな関係性だと思います。
ケンさんによるパーマカルチャーの説明(必要なものがシステム内で賄えなければ労働が生まれ、システム内から出てくるものがそのシステム内で使われなければ汚染が生まれる)を聞いた中で、私がああそうか、と思ったことを二つご紹介します。


一つ目は、

パーマカルチャーデザインにおける「汚染」という言葉です。
汚染物質と聞くと、海が汚れたり、ごみが川に流れたり、空気が排気ガスで汚れたり、というイメージがありますが、もっともっと身近で考えれば、家にあって、使っていないお荷物になっているアレ(人それぞれでしょうが)も汚染物質なのです。
そこにあるだけで、何の役にも立っておらず、場所を取り、邪魔になり、管理できず、ほこりが積もる。
汚水のように、目に見えてそのモノからなにか分泌しているわけではなくても、そこに暮らす人々にとって生活の質を下げている不要品。
これは汚染物質なのです。そう考えてみれば、そうかもしれないととても納得しました。


二つ目は、
「使う知恵がなければゴミになる」という言葉です。
ゴミの定義とは、まさにコレですよね。
私たちの周りには、使わないくせに捨てられない人が多いと思います。
「高かったから捨てられない」「いつか使うかもしれない」という気持ちが強いのでしょう。
でも、使う知恵がないのですから、やはりそれはゴミであり汚染物質です。
汚染物質を生み出さないようにする工夫の一つとして、私は、汎用性が高いものを意識して使うようにしています。


例えば、
手ぬぐいがあれば、タオル、マフラー、腹巻、帽子、スタイ、ケープ、カバンなど、その場に応じて何にでも使え、最後は雑巾にまでなります。
使う場面が多くなると使う機会も多くなり、汚染物質にはなりません。
使えば使うほど、使う知恵が生まれるものですね。

(Slow Sociey@ 霞末(かすえ) http://slowsociety.memenet.jp :主催者)


2020


■パーマカルチャーデザインワークショップ
〜姫路の〈城の西 はらっぱ〉を生命が育まれるデザインへ〜
第5回 ランドスケープデザイン

8月から月1回開催してきた「パーマカルチャー・デザイン・ワークショップ」。12月17日は、生みの苦しみを共に突破してきたメンバーと、最後のワークでした。
「こんな感じに終わるように持って行ってください」という予定調和は全くなし、限りある時間の中でどこまで進めるのかは誰もわからない、現場にいる仲間たちの感性とチームワークでどう進むかが決まるというリアルなワーク。


「もしや終わらないんじゃないのか?」とメンバーがこっそり抱いていたかもしれない不安の中、酷暑〜新雪へと季節が変わり、後半は割とスピーディーに分かりやすく進んでいったように感じました。

 

はらっぱを、メインコンセプト「風・土・樹を旅する丘」サブコンセプト「上書きされていくまちのさけ目がぽっかり口を開ける風土記の丘・箕形丘(みかたおか)。ここは風がそよぎ、土が息づく、古代と未来とをつなぐ通過駅。世代を超えて住人が交わり、子どもが遊び、学び、そして樹木やはらっぱ、畑の手入れに勤しむ。そんな自然の循環に沿った暮らしを営む中で、次の世代へとそのギフトを受け継いでいく」という場所にしましょうと決め、そのためには、どんな舞台(シーン、場)が必要か⇒その舞台がどう循環(インプットとアウトプットの関係性)するか⇒実際のはらっぱで何をどこに配置するのが適切かを考えてきました。


現在菜園として使っている場所、このワークの結果、どこが適切になるのかなと思っていましたが、結局今使っている場所が一番良かったという、それはそれで良いことでございます(移動して開墾し直さずにすんでよかったー)。


これからは、アイテムデザインの段階。アイテムデザインとは、舞台に配置する設備がどんな機能を持ち、どんな形で、どんな素材でなどと、一つの設備に対しての具体的なデザインを考えることです。例えば、コンポストなら、材料は何で作るか、どれくらいの大きさか、撹拌する方法はどうするか、生ゴミ用?落ち葉用?、人の導線や生活スタイルを考えた嬉しい工夫はないかな?、予算は?などです。あれれ?まだ終わっていない。そう、アイテムデザインを残してワークは終了しました。ここからは来年度に持ち越しです!コンセプトやシステムデザイン、ランドスケープデザイン(現場全体の配置)が決まっているので、アイテムを作っても結局使われなかったということがないはずです。


今回は、はらっぱを舞台に設定し、パーマカルチャーデザインを学ぶという趣旨で進めていきました。この関係性のデザイン手法は、
日常生活の色々な場面で応用が利きます。部屋作り、買いもの、キャリアプラン、人間関係など、自分の大切にしたいことをしっかり
と考え、それから小さな項目を考えていくと、場当たり的な自己満足が減り、永続可能な環境が整っていくことでしょう。

執筆:Slow Sociey@ 霞末(かすえ)
http://slowsociety.memenet.jp


■パーマカルチャーデザインワークショップ
~姫路の〈城の西 はらっぱ〉を生命が育まれるデザインへ~

#第4回 2020/11/19#
ストラテジーデザインとシステムデザイン

前回途中になったストラテジーデザインを再度改めて考え直した後、シス
テムデザインへと進めていきました。
消費することに慣れてしまった私たちは、売っているものから欲しいもの
を選ぶことは得意ですが、目的に合うものを考えて、新たに作り出すこと
はとても苦手になってしまいました。物に合わせた暮らしではなくて、自
分が必要なものを自分で生み出すことが、このワークの基本です。
コンセプトデザインで出てきたワードをかなえるために、どんなシナリオ・
現場・舞台が必要でしょうか?
みんなで、付箋に書いて出し合いました。
例えば、「世代を越えて住民が交わり」
⇒出会いの場、マルシェ、野菜を育てて調理、四季に合わせたイベント…
など。
そのためには、何が必要でしょうか?
アウトドアリビングダイニングキッチン(アウトドアLDK?)コンポスト、
農具小屋、菜園、水場・・・など。
ここからは、システムデザインへ。
上記に出てきた必要なものをどのように配置すれば、循環のある暮らしが
できるのでしょうか。それぞれの要素のインプットとアウトプットを考え、
つながりを考えていきました。
なんということでしょう!!
上手く循環するではないですか。
さて、次回は最終回!!
デザインの現場「はらっぱ」の環境を読み取りながら、これまでのデザイ
ンで浮かびあがった要素を空間に落とし込むランドスケープデザインを行
います。
リアルなライブ感たっぷりのパーマカルチャーデザインワークショップで
す。

執筆:Slow Sociey@ 霞末(かすえ)
http://slowsociety.memenet.jp

パーマカルチャーデザインワークショップ
 〜姫路の〈城の西 はらっぱ〉を生命が育まれるデザインへ〜

#第3回 2020/10/15#
第3回 ストラテジーデザイン
受講生がメインコンセプト・サブコンセプトを実現するために各自考えてきた
ストラテジーデザインの発表からです。
メインコンセプト:風・土・樹を旅する丘
サブコンセプト:上書きされていくまちのさけ目がぽっかり口を開ける風土記
の丘・箕形丘(みかたおか)。
ここは風がそよぎ、土が息づく、古代と未来とをつなぐ通過駅。
世代を超えて住人が交わり、子どもが遊び、学び、そして樹木やはらっぱ、畑
の手入れにいそしむ。そんな自然の循環に沿った暮らしを営むなかで、次の世
代へとそのギフトを受け継いでいく。
ストラテジーデザイン:コンセプトの合言葉を表現するために必要なアイテム
や要素を出す。コンセプトにのっとり、実際の場所にあって使えるものや要素
は資源として活かし、問題と思うこともできるだけポジティブに捉えて、問題
を資源にできないかを考える。
回を経るごとにより具体的になっていくので、考えやすいかと思っていました
が、受講生の皆さんは苦戦したようです。
講座の中から出てきた要素で多かったのは、看板や伝言板など、はらっぱ・箕
形丘を知らない人への情報発信方法。そして、面白かったのは「箕」をアート
や福招きのように使うというアイデア。箕って畑作業で収穫物を入れたり、落
ち葉を集めて塵取りのように使ったり、戎さんでは、縁起物としての飾りで売
られていますね。熊手と共に福が集まってくるシンボル的な物ですね。
さて、まだまだ途中な感じで今回は終了となり、次回へどうつなげるか、現在
進行形でございます。

執筆:Slow Sociey@ 霞末(かすえ) http://slowsociety.memenet.jp
■パーマカルチャーデザインワークショップ
〜姫路の〈城の西 はらっぱ〉を生命が育まれるデザインへ〜

#第2回 2020/9/17#
ワークショップ2回目まずは、前回からの宿題の発表から。
1)<城の西はらっぱ>のメインコンセプト:短い表現で端的に表したもの
2)「サブコンセプト」:メインコンセプトを補足説明したもの
全員が発表したコンセプトは十人十色!
色々と出てくるからこそ、みんなでやる意義があるのだなと実感しました。
後半は、出てきたコンセプトの言葉を、同じような意味ごとに整理したり
つなぎ合わせたりして、意見交換しながら一つの文章にしてみようと挑み
ました。キーワードとしては、「風土記」「18切符」「預かりもの」
「街の裂け目」などなど興味深さ満点でした。今回出てきたメインコンセ
プト&サブコンセプトを、はらっぱのオーナーさんに持ち帰っていただき、
最終的にこれで行きましょう!というものを決めることとなりました。
そして次の段階(下記)に移っていきます。
ストラテジーデザインについて:
・コンセプトを実現するためにはどんなアイテムや環境、要素が必要か?
・現時点で実際に<はらっぱ>にあり、活用できる資源(アイテムや環境
 など)は何か?
・コンセプトを実現するために、現時点で実際に<はらっぱ>にあり問題
になることやものは何か? どうすれば問題ではなく資源に変えられるか
の発想の転換(関係性のデザイン)
次回は上記の発表・共有です。
前回よりも、より現実的になり分かりやすいかもしれませんね。

執筆:Slow Sociey@ 霞末(かすえ) http://slowsociety.memenet.jp
パーマカルチャーデザインワークショップ
 〜姫路の〈城の西 はらっぱ〉を生命が育まれるデザインへ〜

#第1回 2020/8/20#
姫路城の西側の地域〈城の西〉にある、街の中のはらっぱを舞台に、パーマ
カルチャーデザインの手法を使って、永続的な空間とシステムをデザインして
いきます。
初回は、和やかな自己紹介タイムの後、パーマカルチャーの概要、デザイン、
エコシステム、自然界のデザインパターン等について学びました。
この話はいろいろな分野にも応用できるので、働き方、経済についても参加者
の想いや夢が飛び交いました。
午後からは、実際にデザインしていくための材料集め。
まずは、このはらっぱの持ち主へのインタビュータイム。デザインする空間や
環境に求める理想や希望を聞き出したいのですが、何を聞いたらいいのか困惑
する受講生。そして、改めて訊かれて難しいなと感じる持ち主。でも、色々な
インタビューをする中で、何度も出てくるキーワードが浮き彫りになってきま
す。
次に、外の観察・俯瞰的な観察。
実際にはらっぱに出て、自由に見て回り、フィールドマップに気づいたことを
書き込みます。部屋に戻った後は、キーワードの整理。次回9月17日までの課
題は、それぞれが考えるコンセプトデザインです。全体の方向付けとなる重要
な部分です。今後、パーマカルチャーの手法を学びつつ、色々な要素が出てき
たときに、ぶれずに戻ってこられるようなコアな部分です。ついつい、アイテ
ム(スパイラルガーデン、コンポストなど)を考えてしまいがちな、パーマカル
チャーですが、もっともっとベースとなるのはデザインです。
始まったばかりのワークショップ。少しずつ組み合わさっていく過程を楽しみ
たいです。

執筆:Slow Sociey@ 霞末(かすえ) http://slowsociety.memenet.jp

■「持続可能な暮らしのデザイン 重要機能のバックアップ 水の場合」(2020/2/27@城の西はらっぱ)

受講動機を聞くと、雨水タンクはあるがそれを飲むことは衛生的にどうなのかという疑問、いざというときの水のことを考えておかないといけない、上下水
道がないのが日常生活であり井戸水が枯れたときのバックアップをとりたいという方など様々。水道以外の水を効率よく集めること、集めた水を安全に生活
へ取り入れることがテーマです。
重要機能のバックアップを取るというお題、暮らしの重要機能って何がある?
水はどこにある?どうやって水を集める?などと憲さんからの質問にアイデアを出し合いながら講義は進んでいきました。
後半はらっぱに移動し、雨水収集の実演と飲用体験。1例目は集水ネットの活用。グリーンカーテンの面をネットにし、下部にタンクで水を集めるイメージ。
蜘蛛の巣に朝露がつく表面張力をヒントに開発されたらしいです。ネットなので風は通り遮光になり、かつ軽い、大きな面積で集水効率がよく、好きな所へ
持ち運べる。〈○○専用〉ではなく多機能であるということも、パーマカルチャー思想の大切なポイントですね。2例目はアルモンデ編、ゴミに出ていた傘を有
効利用。「一般人は傘を雨除けに使いますが、私たちのようなひねくれものは雨を集めるために使います」ということで、逆さ傘の面白い工作スタート。
説明書通りに作ろうとするも、傘の先が短くてうまくいかないハプニング発生。ロケットストーブの燃料で置いてあった細い竹を差し込み、めっちゃ長い傘の
先を作ってよりしっかりとした導線を作り上げたのです。偶然後ろにあったシャワーで、ゲリラ豪雨級の雨を降らせて集水実験。ワンプッシュのシャワー
の間でもしっかりと水は溜まっていました。実際のゲリラ豪雨ともなれば、タンクの蓋を取って集めた方が効率的な気がしましたが、普通の雨では逆さ傘
についたロープを伝って水が集まる予定。その後は、雨水と井戸水の飲み比べパーティー「水パ」。講座日前に夢前で集水した雨水を煮沸し味見、普通の水。雨水って飲めるんやん。一度飲んでしまえばこっちのもの。貴重な飲料水となった。次に、となりのトトロ風の井戸水を汲み上げ簡易水質検査。飲んでも大丈夫な水ということが分かり、コーヒーのドリップのように、活性炭のろ過機で漉し、透明になった水を煮沸し味見。
参加者それぞれが色々な見方で水を見つめる半日となりました。井戸水も雨水もこの日はヒーロー級の扱い、写真撮影の被写体としてカメラに収まり続けた
のです。お金をいくら出してもモノやサービスを買えないときがくるのではないかと思う私。私たちの暮らしは誰かに負担がかかり、それをアテにした と
ても脆弱なものです。一人一人が意識し、それが地域へとつながり、地域のレジリエンスを高めたいと思います。
(スローソサエティ、編集担当にて改稿)

■「持続可能な暮らしのデザイン」(2019/12/19@城の西はらっぱ)


先日、NPO法人スローソサエティさん主催「持続可能なエネルギーデザイン」という講座に参加しました。地球のこと、自分の身の回りのこと、色んな規模の循環を、居合わせたメンバーと一緒に考えていく。理科の授業のようであり、心の授業のようでもあり、とても面白い一日でした。持続可能ということは、
命が変化しながら、続いていく状態。植物(生産者)と、動物(消費者)と、微生物(分解者)が織り成す、地球の物質循環。私たちの身の回りの物やエネル
ギーは、どこから来て、どこへ行くのか、持続可能な循環になってるのか、なっていないのか、一つ一つを丁寧に考えていくと、地球の中の自分の立ち位
置が見えてくるようで、身につまされると同時に、わくわくもしました。
仕組みを理解し、大きな循環を知ること。身の回りの小さな循環を知ること。きっと、大きな循環に、自分の循環を添わせて生きられたら、生き物として、
心の底に、深い安心が来るのでないかな、と感じました。循環と程遠い生活を送っていますが、目指す方向を見失わずに生きたいな。
屋外でのロケットストーブの紹介では、原理が分かっていれば、他のものでも代用できると、空気は冷たい方から暖かい方に流れることを、海と陸の風の行
き来を例に、その他のことも、一つ一つ丁寧に教えてくださり、屋外で実践。ロケットストーブの威力にも感心しましたが、その場で作った、植木鉢と土と
コンクリートブロックのカマドにも驚かされました。

講師:橋本憲一郎(PCK代表)

(講座参加者)