■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都)第7回 アイテムデザイン&全7回を振り返って
2022年6月から始まった楽西自然農園でのパーマカルチャーデザインWS
は6月4日に第1回目として始まり、ほどなくして陽のピーク、夏至を迎
えた。
そしてそれから12/3(土)に第7回目の最終回を無事に終えて、そして今
陰のピークの冬至を迎え、この原稿を書いている。
思えばこの7ヶ月、いろんなことがあった。社会も、僕も。
変化が予測もつかず、そして早すぎて、始まる前と今とではずいぶん
違う環境になってしまった。ここに簡単にこの7ヶ月を振り返って
みる。
・・・・・・
第1回 6月4日、ぽかぽかと晴れ渡る良い天気、うっすらと春の気配
さえ感じる心地よい風が吹く爽やかな第一週目の土曜日、京都での
開催が初というパーマカルチャーデザインWSが楽西自然農園で始まっ
た。この日のテーマは「出会いと関係性づくり」
初めてパーマカルチャーを学ぶ人、初めて楽西自然農園に来られた
人、どんな人たちが、どんな思いで参加されたのか、丁寧に聴き合
い、お互いを知りあった後、農園内のフィールド探索、パーマカル
チャーの原則のいくつかを学んだ。
第2回 7月2日、夏至を過ぎ本格的な夏が始まった。この日のテーマ
は「ヴィジョンを得る観察」
パーマカルチャーは単に「持続可能な農業」の手法ではなく、自然、
地球、生物、人間が共存・共鳴・共有・共感し、豊かであり続ける
関係性のデザインだ。
近代社会の歴史的な流れや、開催地である洛西の歴史や地域性、農園内の水の流れ、土の状態、太陽、人、植生、風の流れや生き物、既存物、音などの観察をした。
第3回 8月6日、照りつける日差しと蚊の多さを憂慮し、農園から1kmほどにある洛西総合庁舎にて開催。
この日のテーマは「コンセプトデザイン」
毎回WSの最初にチェックインの時間があり、今の心身の状況、思いなどを共有する時間があるのだが、みんな前回のWSから今回までの一ヶ月間を振り返ると様々な変化があったようだ。かくいう僕もこの時期思いもよらない出来事に直面してたのだが、みんなも変化の真っ只中ということを聞いて、今は社会的にも、個人的にもそういう時期なのかもしれない、となんだか納得した。
そんなときだからこそ、基本的な方向性である「コンセプト」をこの会で学べたことは大きかった。パーマカルチャーでの学びから自分の生き方のヒントを得る。
第4回 9月3日、この月もまだまだ暑さが猛威をふるう。熱中症対策のため洛西総合庁舎にて開催。
この日のテーマは「ストラテジーデザイン」
前回のWSでは基本的な方向性のコンセプトを学んだが、今回はそれを実現させるために何を使い、何が資源となり何が問題となるか、また必要要素の抽出をしていくことなどを学ぶ。自分自身「わかっているつもり」で使っていた言葉や、すでに「やっていたつもり」でいた事など、もう一度深く掘り下げる必要があることを痛感。この作業に取り組みつつ、いろいろと浮き彫りになってきた「問題」。
しかし「問題も関係性をかえてあげると資源となる」という言葉になんだか救われる。
第5回 10月1日、少し涼しくなってきた今回は2ヶ月ぶりに楽西自然
農園へ戻って開催。この日のテーマは「システムデザイン」
WSで度々語られる「パーマカルチャーは関係性のデザイン」という言葉。
そして「システムの中で生まれた物は、システムの中で消費されなければ、汚染と労働が生まれる」という言葉にハッとする。持ち込まない、持ち出さない、地産地消、農園を維持していくためにどこかにしんどい思いや労働が偏りすぎると気持ちよく続けられない。
そしていよいよ本格的に決定したコンセプトは、「自然、自分、生きる力を取り戻す」サブコンセプトは「永続可能な食べられるコミュニティーガーデン」
で決定した。
第6回 11月5日、暑さもすっかり無くなった農園は、樹木たちも紅葉し
秋の気配ただよう心地よい空間に。
この日のテーマは「ランドスケープデザイン」
効果的な配置計画は活動の中心に必要なものを近くに配置することで、移動時間の労力や時間が節約出来る。反面そんなに管理が必要でないところは中心から遠くに配置し自然に任せる。ランチタイムには南阿蘇トランジションタウンの夫婦デュオUpepoUpopoさんが来てくださった。キラキラした日差しと赤黄緑の
葉っぱに彩られた農園にギターの音色と歌声がすーっと染み込んで行く。
ああ、まさにここは天国だな。
午後からはそれぞれがコミュニティスペースや畑、田んぼ、果樹などの配置をプランニング。さらにアウトドアリビング、アウトドアキッチン、雨水タンク、農具置き場、などのアイデアも発表される。なんだか楽西自然農園がすごいことになってきそうだ。
そしていよいよ最終回、
第7回 12月3日は雲ひとつない天に祝福されたような突き抜ける青空のもと開催された。とはいえやっぱり気温は低くしっかり寒い。焚き火で暖を採りつつ冬の気配をひしひし感じる。
この日のテーマは「アイテムデザイン」
今回も参加者みんなのチェックインから始まり、前回から今回までの一ヶ月の近況報告や今の思いなどがそれぞれ語られた。
今回が最後ということもあり、みんなそれぞれに熱い思いがあふれ、チェックインが一巡したころにはもうお昼近くになっており、そのまま昼食。
(今回もお弁当美味しかった。さっちゃんありがとう!!)
その後、ランドスケープデザインの発表をさせてもらった。
第6回のときにみんなから出してもらった様々なアイデア、それをもとに楽西自然農園のデザインをまとめさせてもらったものを発表。
着手は来年になるが、楽西自然農園を「永続可能な食べられるコミュニティガーデン」とするべく果樹やハーブ、畑、田んぼのReデザインと整え、楽西自然農園全体の水脈整備、玄関口となる部分にウェルカムアーチや看板、憩いスペースをさらにくつろげる場所にバンブーデッキ、キッチンスペースの拡充、生ごみコンポスト、落ち葉堆肥、薪置き場やキッズスペースなどなど、やりたいことはたくさんある。
そしてケンさんからパーマカルチャーの原則である、「エッジとパターンの活用」、「多様性」、「生物資源の活用」、「小規模集約システム」や、パーマカルチャー多機能アイテムの紹介として、雨水集約システムの樹幹水や雨水タンク兼プランターへの自動潅水システムなどの紹介があった。
パーマカルチャーはなんだか人生哲学だな、と感じる。パーマカルチャーでよく出てくる言葉には度々インスピレーションをいただく。
例えば「エッジ」。
僕は在日韓国人三世になる。
昔、祖父、祖母が韓国から日本に渡ってきて、父と母は日本で出会い、僕は日本で産まれた。韓国で生まれた韓国人ではないし、日本で生まれた日本人でもない。
昔はそのせいで同級生から「チョーセン帰れ!」とか言われたり、韓国へ行ったときは「パンチョッパリ(ハンパな日本人という意味の在日韓国人に対する差別用語)」といわれたりした。10~20代は自分のアイデンティティに悩むことも多かったが、今は日本で生まれた韓国人である自分は韓国と日本の「エッジ」の存在なのかな、と思う。国籍、民族的に「当たり前」でない立場として産まれた僕は、多数派よりも少数派にシンパシーを感じることが多い。「普通は」とか「一般的に」
という言葉に少しひっかる。
話が長くなりそうなのでここではこのへんにしておくが、ちょうど境界線にまたがる自分には、何かそこで役割があるのかもしれないなと思う。
「多様性」
ひとつのものが大量にあるよりも、それぞれちがうものが少しづついろいろあったほうがいい。ちがいは活かされるとその分豊かさになる。
「生物資源の活用」
バラエティに富んだいろんな人たち、いろんなものたちは必ず活かしどころがある、と僕は考えている。
「小規模集約システム」のような小さなコミュニティがあちこちにあったらおもしろそうだな、とか。
もともと僕がパーマカルチャーや自然農を学んだり、実践地として楽西自然農園をはじめようと思ったきっかけは11年前、仕事で関東方面出張中に
経験した東日本大震災だった。震災直後、水道、電気、ガスが止まり、スーパーやコンビ二の陳列棚からは食料、水分、生活物資が無くなり、
ガソリンスタンドは長蛇の列。
3.11を経験して強烈に思った事は「生きるために必要なものを自ら生み出す」ことだった。
現代社会では「生きるために必要なもの、サービスを得る」ための多くの手段は「お金」で買うこと。
でもまた何か大きな災害、経済ショック、予想できない社会的混乱がおこった場合、「お金」の価値がもし無くなってしまった場合、自分でなんでもしな
ければならない、でもそれはほぼムリ、となった場合、本当に必要なものは、自分に出来ないことが出来る人たちとのつながりだと思う。
お金中心、お金優先の経済社会で、もしそれが通用しなくなった場合、真に安心できるバックアップ、僕はそれは「信頼できる仲間」だと思う。
チェックアウトでは第7回目の感想、そしてこの7ヶ月間の振り返りが各々から語られた。
みなさんこの7ヶ月、まるでジェットコースターのように、予測もつかない心身の変化で、ときには調子をくずしたり、引越ししたり、新しいステージ
に行こうとしている人など様々な変化、進化を感じていた。
「知識が景色を変える」という言葉があるが、この7ヶ月の学びによって僕は観える景色がさらに変わってきた。
パーマカルチャーの学びによって、物事を観るための尺度となる基準「ものさし」の精度が上がったように思う。
今後も僕たちの生きるこの社会に、世界に、地球に予想もつかないことが起こるかもしれない。でも絶望することは無い。
永続可能な生き方を学び、実践する素晴らしい仲間たちとつながれたことは本当にかけがえのない資源であり、財産。そう感じられたこの7ヶ月だった。
なのでこのつながりをこれで終わらせず、今後も継続していきたいと思ってます。
長々と書いてしまいましたが、最後に講師を務めてくださったケンさん、あびくさん、そして共に学んだ受講生のみなさん、本当にこの7ヶ月
ありがとうございました!!
P.S.今回、パーマカルチャーデザインWS@楽西自然農園は一旦終了しましたが、
追加でパーマカルチャーアイテムデザインのWSを2/11(土)と3/4(土)に楽西自然農園にて開催予定しています!詳細は追ってお知らせいたします。
ご興味ある方、ぜひおこしください( ´ ▽ ` )ノ
(李よんひ:楽西自然農園園長)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第6回 ランドスケープデザイン
前回まではまだ暑さが残っていたが、すでに肌寒く、でも心地よい日差し。
今回もチェックインから始まる。回を重ねる毎にこの時間が楽しみになる。
あの人もあの人も、この一ヶ月の間にどんな時間を過ごしていたのだろう。
自分と重なる話や、全くちがう経験を聴くことで、自分の中の気持ちや頭の
中が変化する。
午前中は、効率的な配置計画における重要な3要素を学ぶ。
○ゾーンプランニング(区域計画)
どの程度使うのか、その頻度を把握し、Zone0~5に区域わけしていく。
活動の中心に必要なものを近くに配置することで、移動の労力や時間が
節約出来る。
○セクタープランニング(区分計画)
どの方向から外的要因が入ってくるかをまとめ、外から入るエネルギー
と、自分の要求とを適合させる
・自然のエネルギー(太陽や風、野生動物など)
・人的エネルギー(隣人や集落の特性など)
○スロープ(傾斜)
水の流れや資材の搬入に、位置エネルギーを最大限に活用する。
昼食時間。参加者キラさんのはからいで、南阿蘇トランジションタウンの
夫婦デュオUpepoUpopoさんから生ライブのプレゼント。暖かい日差しに焚き火の煙、紅葉まじりの木々、お昼ご飯とのりちゃん手作りクッキーと紅茶を味わい、優しい音楽につつまれる。『ここは天国』という曲があいまって、文字通り天国のような空間になる。
午後からは、ひとり~数人ごとに分かれてゾーンプランニングを行う。
今までに学んできた楽西自然農園の地形や環境から、いよいよ効率的な配置を考えてみる。中心となるコミュニティスペースをどこに配置し、畑、水田、フォレストガーデンはどこが最適かを考える。それぞれの発表をきくと、自分だけでは思いつかないアイデアが生まれている。
できたゾーンプランニングから、さらに詳細な配置を考える。アウトドアリビング、アウトドアキッチン、雨水タンク、農具置き場、等々。
プランをシェアする私たち。これまでに共有してきたWSの内容がより具体的になり、今いる楽西自然農園の空間が頭の中でどんどん変化し、
彩られていくようだった。
途中休憩タイムには、よんちゃんの焼き菊芋のおやつを頬張りながら、レジャーシートや火を囲んで思い思いに井戸端会議をした。
けんさんが最後のシェアで、休憩中みんなが話している様子がかけがえのない時間に感じて、WS再開の声をあげることを躊躇したと話されていた。
ひとりでできることには限界がある。心地よいコミュニティ、あらゆる人が寛いで笑顔でいる空間をデザインすることが、私たちの共通する願いなのかもしれない。
次回で最終回。
(辻幸子:受講生)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第5回 システムデザイン
楽西自然農園の第5回目のパーマカルチャーの講座に参加しました。
前回、前々回は室内でしたが、今回は気候が良くなったので農園での講座。
心地よい風が通り抜け、日差しが注ぐ良いお天気で、気持ちの良い時間でした。
今回はストラテジーデザインとシステムデザインの講座。
前回のコンセプトデザインで、ヨンさんの産みの苦しみで、産み出せたコンセプトは、
~自然、自分、生きる力を取り戻す~
サブコンセプトは(永続可能な食べれるコミュニティーガーデン)
これに基づいてストラテジーデザインを考えます。
観察→コンセプトデザイン→ストラテジーデザインと流れます。
ケンさんのお話しで、中心にコンセプト(内的環境)が有り、それを大きく囲む様にして外的環境が有ります。
コンセプトと外的環境を繋いでいく事(コンセプトの実現化)がストラテジーデザイン。
ケンさんは、最初の講義から何度も「パーマカルチャーは関係性のデザイン」とお話しされています。
その言葉を聞くたびにインディアンが世界を蜘蛛の巣に例えてたのを思い出します。
内的環境と外的環境を繋ぐためにまずは現状把握。
そこで、現状を見ることで、課題も明確になってきます。
今回の見えて来た課題は、人々のガーデンでの関わり方でした。
そこで、みんなで課題解決のための案を出しあったりしました。
次に解決案を具体化するのに必要な物を皆んなで考えました。
必要な物は、色々と案が出ましたが、ざっくりと言うと、より心地よく集える仕掛け的な感じでした。例えば、快適なアウトドアリビングなどです。
システムデザインでは、今ある物、これから作られていく物がどのような流れで繋がって行って、循環を産むのかを図式化して、視覚で見えるように講義してくれました。
システムの中で生まれた物は、システムの中で消費されなければ、汚染と労働が生まれるという話も有り。自然農の川口さんも、同じような事言ってたなぁ。と思った次第です。
必要な資源(水、ガス、水道、食べ物)は、供給源を複数もちましょうというお話しもありました。現代社会は、1つの供給源に頼っているので脆弱という事です。
多様性こそが豊かさで、多様性が真の強さを与えてくれると私も思います。
人間も色んな人達がいるからこそ素晴らしいと思います。
今回のパーマカルチャーの学びは、コミュニティーガーデンがテーマ的な物ではあるけれども、その学びは、他にも応用出来るし繋がっている物でした。
お昼休憩の後でマコモを刈って、おやつで食べました。
私はマコモの葉を沢山頂いてきました。帽子を作ろうと思います。
素敵ならな空間で、難しい事を分かりやすく工夫しながら伝えてくれる時間。心地よい人々。
毎回行くの楽しみです。
ヨンさんのガーデンがこれからますます素晴らしい物になる予感楽しみです。
一緒に同じ時間を過ごしてくれている方々に感謝!
(松田きよみ:受講生)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第4回 ストラテジーデザイン
今回もチェックインで各々の今の気持ちを話す。初参加の方もいて、
気を抜いて話すと全員に声が届かないほど、大きな輪だった。
前回、前々回のよんさんへのインタビューから、皆で考えたコンセプト案を
持ち帰ってもらっていた。
今回はいよいよ楽西自然農園のコンセプトが、よんさんから発表される。
そしてストラテジー(戦略)デザインを学ぶ。
『永続可能な食べられるコミュニティガーデン』
サブコンセプト〈自然に還る 自分を取り戻す〉
よんさんが考える「コミュニティ」とは?
よんさんにとってコミュニティとは、ゾーニングでいうところの
「want?」「need?」「must?」どれなのか?
必要性が高いもの、要求度が多いものを中心に置く(ゾーニング)べく
まだまだ掘り下げていく。波紋同士が打ち消し合うことのないよう強い中心
への落とし込みをする。
よんさんありきの楽西自然農園ではなく、
よんさんが、いなくなったとしても永続可能となっていくために、
各々が中心軸をしっかり持つ必要がある。
何より、よんさんの強い中心軸が必要。午後に食い込んでしまうが深く深く
掘り下げる。
話す中でキーワードがクリアになっていく。
キーワードを並べ、再度全員でのコンセプト決めのコンペとなった。
コンセプト無事決定(仮)
『自然・自分・生きるチカラを取り戻す』
サブコンセプト〈縄文・土と水と虫を触ってキャ~〉
このコンセプトを実現させるために
何を使い、何が資源となり、問題となるのものは?…
必要要素の抽出をしていくことが、ストラテジーデザイン。
問題も関係性をかえてあげると資源となることもある。
話はかわるが"パーマカルチャーは地球をジャングル(森)にすること"と聞いた。
わかりやすい。
多くの各々自立しているものがそこにあることで循環していく。全てが必要。
お年寄りだけ、子ども達だけ、ハンディキャップを持つ人達だけを集め、ケア
していく、という区別によってスムーズに進むこともあるだろうが、
いろんな人がいることが当たり前、いろんな人と関わることが当たり前、
も大事なのではないか。
元来、日本には「私」という考え方はなかった、と前回教わったように、
「所有」という概念を手放して多様な人が集まる場ではそこにある多様な
ものが各々にとって資源となっていくのではないか、と感じた。
手放せるかな?
今まだ「欲しい」私がいる。
(成田ふみ:受講生)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第3回 コンセプトデザイン
パーマカルチャーとは、家の周りの環境を整えるものなのかなー?という
認識ぐらいで、前からご縁があって、知っている楽西自然農園で行われる
のなら、せっかくの機会なので、と軽い気持ちで受講を決めて、今回で3回目。今回はコンセプトを考える。
ということで、楽西自然農園を今後どうしていきたいのか?
農園オーナーよんちゃんの本音を知るべく、インタビュー。
深堀りしていく1日となりました。
まずは、それぞれのキャッチアップもかねて、どんな1ヶ月だったか?発表。
この1ヶ月の間に、社会的にも大きな出来事があり、それぞれにもいろん
な思い、いろんな出来事があり、感情がかなり揺れたことがわかった。
それをみんなの前で発表することにより手放せたり、スッキリしたりした
人もいた模様。
農園オーナーも大きな変化があったようで、感情の揺れ具合の話をして
くれた。色々と心境の変化がありながら、結局今はワクワクしている、とのこと。新たな旅立ちとも言える、生活環境の変化から、楽西自然農園の今後の展望も少し変化したそうで、そのあたりも含め、みんなでインタビューをしていく。
熱い思いが語られ、楽西自然農園、街にアンテナショップ的なコミュニテ
ィーの場、最終的には郊外の広い土地で、エコビレッジを作りたい。話は
壮大になっていく。
その構想の中の楽西自然農園。
どんな人も受け入れられる場所
安心して調子を崩せる場所
食べ物をみんなで作れる場所
ありのままでいられる場所
3.11の体験から始まった楽西自然農園。
オーナーよんちゃんから出てくる想いは、いつも力強く、変わらないところがある。
それを10年かけて実現する中心となってきたよんちゃん。
前世でそれをやっていた記憶があるという。きっと、壮大な構想も実現していかれるのだろう。
最終的に、みんなが考えたコンセプト案を発表。
楽西自然農園の今後の方向性を決める大事なコンセプトをみんなで考えて、それぞれの言葉で表現できたことは、なんとなく一体感も感じられて、
素敵な経験だった。
そして、最後に、個々のコンセプトを考える時間もあった。
人生そのもののコンセプト。作る家のコンセプト。庭のコンセプト。
もっと小さな部分として、台所のコンセプトを考えた方もいた。
コンセプトを決めると、やることが自然と湧いてくる気がする。
とても大切なものなんだなー、と実感した。
次回はいよいよ、コンセプトを決定して、
実際にそれを実現させるためにどうしたらいいか?
という段階に入っていく。
同時並行で、個々のコンセプトに沿った実現方法も、きっと考えていかれるのだろうな、楽西自然農園のことも楽しみだけど、それぞれの方の今後も楽しみだ。
私は自分の生き方のコンセプトをしっかり考えてそれに沿って、住む場所、家から考えることができる、素晴らしい状況に今いる。
その喜びとともに、この状況で、けんさんのパーマカルチャー講座に入れている自分が、とても自分らしいな、と感じられた。
私の今後も楽しみだ。
(上杉珠英:受講生)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第2回 観察
パーマカルチャーって言葉を聞いたのはいつのことだろう?
オーストラリアから世界に広がった、パーマネント(永続的な)+カルチャー(文化)
+アグリカルチャー(農業)を掛け合わせた造語 ”パーマカルチャー”。なんか
カッコいい。内容はよく分からなかったが、なんとなくその【言葉】に興味を
持ちながらも数年経ち、そして今回ご縁があり、デザインワークショップに参加
することが出来た。前回の第1回めを受講して自分なりに理解したことは、パー
マカルチャーとは、持続可能な農業だけではなく、自然、地球、生物、人間が
共存・共鳴・共有・共感し、豊かであり続ける関係性のデザインだということ。
壮大過ぎて、やはりまだまだ全貌を理解しきれない中で参加した今回、第2回め
のテーマは『観察』。
今の社会はバラバラで繋がっていない、分断され一方通行、不平等で格差を生ん
でいる。これは持続不可能な世界だ。
しかし【観察】することで、自然の中でどのように物事が動いているかという
パターンを見つけ、そこから学び、それを活用することで永続性が生まれる。
【観察】には3つある。
内の観察:デザインする空間や環境でどんな理想や希望を持ち、どのような状況
を必要とし、求めているのか?
外の観察:デザインする空間や環境がどのような特徴を持ち、どんなエネルギー
があるのか?
俯瞰的な観察:デザインする空間や環境がおかれているところが、地域や社会の
流れ、時代性と関連づけられることはあるか?
外の環境として<生命・社会・地域・楽西自然農園>が、そして内の環境には、
今回の会場である楽西自然農園の園長であるよんちゃんの想いが含まれる。
では早速これらを【観察】してみよう。
まずはKenさんと共に『近代社会の流れ』を追う。
帝国主義(植民地)→明治維新→戦争→東と西の対立戦争(朝鮮やベトナム)→経済
発展→学生運動(政治と社会密接)→シラケの時代→バブル→サブカルチャー
→冷戦終結→失われた20年→阪神淡路大震災→オウム→911→リーマンショック
→東日本大震災→コロナ
戦争が要素になっていることが分かる。
続いて今回の参加者でもあり京都市洛西地区の役所で仕事をされている
くろちゃんに、楽西自然農園がある『洛西の地域性』を学ぶ。
なんと、約3万年前の旧石器時代!から始まる大原野の略年譜が配られた。
楽西自然農園は京都西山に位置している。名産はタケノコと柿。山すそで畑を
作りにくかったので、1790年に孟宗竹の栽培を始めたらしい。その後、竹の値
段が下がったので柿の栽培を始めたとのこと。そして1972年に洛西ニュータウ
ンの起工式が行われたなど、この地域の歴史と共に地域性を教えてもらった。
次は受講者皆で2~3名のグループを組み、楽西自然農園をそれぞれ【観察】
していく。
観察の仕方は、1)五感を使う 2)地域の人の話を聞く 3)今までの文献や地図
を読むなどあるが、今回はグループ毎に五感を使って、以下の事柄について
白地図に書き込むというワークをした。
水の流れ、エネルギー、パターン / 土の状態、流れ / 日(陽)、太陽の流れ /
人の流れ(動線)/ 植生 / 視界、風の流れ / 生き物 / 既存物 / 音
私が担当したのは視界と風の流れ。興味深かったのは、水が止まっている所は
風も止まっていたこと。水も風も土もすべては繋がっている。
最後に楽西自然農園の園長よんちゃんに皆でインタビューして、彼の想いを
【観察】する。ブレない中心があることで、ぐるぐる螺旋を描くことが
出来る。
次回のコンセプトデザインでは、社会という広い所からよんちゃんの想い(中心)
=実現したいことを明確にしていくそうだ。
今回の学び:【観察】する際に大切なコトは『先入観を持たない』コト。
感謝:暑い中受講している私たちに、よんちゃんがアイスキャンディーや保冷
剤をたくさん準備してくれた。いつもどうもありがとう。
(Coco:受講生)
■パーマカルチャーデザインワークショップ
@楽西自然農園(京都) 第1回 出会いと関係性づくり
これからの自分の人生において、何を軸にして、何を大切にして、
どのように生きていこうかということをじっくりと考えたくて、
パーマカルチャーデザインワークショップに参加しました。
第1回目では、パーマカルチャーの3つの倫理について教えてもらい
ましたので、今回は、この3つの倫理について自分が感じたことを書き
たいと思います。
1 地球に対する配慮
洗剤を使って食器を洗う、毎日ゴミを出し続ける、無駄な電気を使い
続ける…
地球について、環境について意識することなく、目の前のことに追
われて生活をしていると、見逃してしまう地球に対する配慮。
資源は有限であるということを忘れ、また、ただひたすら消費する側
に立ち、その資源を無自覚に消費し尽くす生活やその仕組みについて、
パーマカチャーの視点から考えてみたいと思いました。
2 人間に対する配慮
パーマカルチャーの3つの基礎の一つに、「観察と感性」があること
を聞き、人間関係を構築していく上で、「観察」が必要だと思いました。
いま自分が感じていること、信念として持っているものも、振り返ると、
人との関係性の中から生まれたものだと思うし、これからも新たなもの
が生まれるのは、人との関係性の中からなのだと思います。その関係性
を構築していくための方法は、物事を直接的に体験して、それを観察することなんだと思いました。
3 余剰物の分配
ただただ流れてくる情報の中に身を置いて、これまでの消費中心の生活に慣れてしまうと、自分には何が必要で、何が余剰物か、といった感度が落ちて
きて、押し付けられて買わされてしまっているモノの中で生活することになり、それが自分にとって必要なものだと勘違いしてします。
「所有」というものについて、じっくりと考える必要があるし、そのためには、生産者としてのスタンスも持ち合わせなければならないと思いました。生
産者というと大層だけど、自分が本当に必要だと思うものを自分で作ってみるという経験を通して、普段見ている景色が違って見えると思いました。人や
環境に対して優しさを持っていたら、「余っているモノ」というのは存在しなくなるのではないか、「所有」というものの捉え方が変わってくるのではな
いかと期待しています。
今はまだ、何一つまとまった考えには至っていませんが、今回の講座を通して、なにか新たな景色を見つけられることを楽しみにしています。
(さわりさわり:受講生)
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