「パーマカルチャー 菜園講座 19' 」レポート


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第10回
コミュニティーとガーデンの森づくり

【トランジションタウン活動について】
2019年7月29日はアース・オーバーシュート・デイであった。
この日から、人による自然資源の消費が、地球の自然資源の再生産量とCO2
吸収量を超え、今のままの自然資源の消費量では、地球は1.75個必要(エコ
ロジカル・フットプリント)になる。しかし、CO2排出量を50%削減すると、
この日は3ヵ月伸びることになる。行動を起こすことで状況は変化する。グ
レタ=トゥンべリも、「希望より行動」を説いている。
 このような問題に対し、「大切なことは足元(地域)にある」という考え
方で、持続可能な社会へ「トランジション」(移行する・変態する)のがト
ランジション・タウン(活動)である。2005年イギリスのトットネスで生ま
れた。現在世界で50か国、1000以上の都市が登録している。(日本は50ヵ
所以上)人里離れた田舎で自給自足の楽園を築くのではなく「今いる場所を
豊かな場所にする」こと、コントロール不能なシステムに依存するのでは
なく「身近な地域にある資源や人、アイデアを存分に生かした豊かな暮ら
し」に移行することを目的としている。それは、今、暮らしている街に森
の生態系を作り、エコビレッジにする。つまり、人工的なシステムに持続
可能なつながりを与えていくということである。
トランジションタウンの課題の一つがピークオイル問題であり、今後石油
生産量が減っていくため、様々な分野での脱石油が必要とされる。市民主
体のコミュニティにより、脱石油依存・低エネルギー化をはかり、地域の
レジリエンス(底力)を作り出さねばならない。同じ地域の市民同士が創造
力を刺激し合ってレジリエンスを高めていくのである。
また、「リコノミー」=経済の再ローカル化が重要である。それは、地域
での食糧生産・消費、太陽光などのエネルギー自給、地域通貨の推進など
である。トットネスでは100%トットネスプロジェクト(人口8000人の
トットネスで必要なものは、トットネスの中で協力して供給する)が、半
端ではない本気度で進んでいる。トランジションタウンは、コアメンバー
3人いれば始められる。定期的な集まりを行い、トランジション・ジャパ
ンに報告し、情報を共有する。そして、コピーレフトする=成功事例をみ
んなで真似し合うのである。その際、3つのHを大切にしている。Head
(知識・情報)・Hand(活動・手仕事)・Heart(意識・心・魂)である。
心の内なるトランジションが重要である。
また、“Re〜”=常識を問い直すこと、やり直すことを重視する。rethink
(再考する) reconomy(地元経済を取り戻す)などである。
TT活動は、壮大なスケールの社会実験であり、うまくいくかどうかは分か
らない。しかしコミュニティの中で仲間とT=楽しくT=つながり、行動す
ることで、社会に大きな変化をもたらす可能性を持っている。未来を描く
創造力と、次世代へ豊かな地球をつなぎたいという意識が行動を支え、豊
かな未来を実現する仲間と繋がり、行動するというトランジションムーブ
メントを起こすことにあるのである
【地域通貨】
地域通貨は、法定通貨とは別に、その価値を認めるもの同士で交換・売買
される地域限定の通貨である。地域通貨導入の目的は、地域資源を発見し、
お互い様のネットワークを築くことにある。それは、メンバーの多様性を
知り、参加意識を高める。そして、個々のメンバーの自己肯定感や幸福感
を高めることにも繋がる。重要なことはこのような理念を共有することで
ある。今から、新しい地域の経済システムをつくり、顔の見えるコミュニ
ティを作っていくというのが、地域通貨導入の主な役割ではないだろうか。

今回は菜園講座の最終回であり、1年間の振り返りとして様々な意見が出
されました。中でも、ケンさんから、10月の第8回において、雨水をろ過
した水をみんながこぞって飲み始めた瞬間、水との関係性が変化したこと
を実感し、今後は万物の根源である木火土金水との直接的な関わりを体験
することにより、多様的で重層的なパーマカルチャーデザインを構築した
いとの意見が出されていたのが印象的でした。
受講生:高島 宣雄(のぶりん)


 ■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第9回
  重ね煮料理と持続可能なエネルギー利用

前半「重ね煮」の先生は、野村潤さん(コラム参照)。3年前の受講生だとい
うご縁だけでなく、たまたま現受講生きょうこさんとは重ね煮教室の師弟関
係というご縁(笑・・やりにくいよね)。
陰陽調理料理「重ね煮」は日本の伝統食を基本に自然界の陰陽の視点を加え
た料理法。一つのお鍋の中に食材を重ね入れ、食材のもつ「陰」と「陽」2つ
の対照的な自然エネルギーを調和させるとてもシンプル合理的な調理法です。
陰陽のバランス4つのポイントは、1)旬2)身土不二3)一物全体4)食性。
特に4)「食性にあったものいただくことを歯の構成から考える」は、ヒトは
臼歯:切歯:犬歯の割合が5:2:1なので、この比率で穀物(中庸):副食とし
て野菜(陰):魚介肉類(陽)を食べるのが自然の流れと考えるのです。初めて
知った人にとっては、へ〜なるほどね!の観点だと思います。食べ物の陰陽の
見分け方や重ね煮の基本ルールも教わりました。例えば、まず食材の生えてい
る姿から、太陽に向かって伸びるものは「陰」で、大地の内部に深く伸びるも
のは「陽」と捉えます。しかし鍋に入れる順は、生えている状態の逆にして、
「陰」を下、「陽」を上に、相対的に重ねていきます。火のエネルギーを加え
対流が起き、お互いのエネルギーが統合され調和し美味しくなっちゃう「お鍋
の中の小宇宙」。1+1が3や5になっちゃう不思議はとてもパーマカルチャー的!
「時短」だしアウトドアや非常時もバッチリですね。
後半はケンさんによる「ロケットストーブ」講座。
永続可能なエネルギーのついての基本的なお話と、ロケットストーブの原理と
構造の解説と実演でした。永続可能なエネルギーについては、何億年前の化石
燃料は新たに作られることはないので、スパンの短いサイクルのもので、なる
べく身近で手に入るものを選ぶこと、また大きなシステムだけじゃだめ(福島
原発事故)ということ。ロケットストーブは温度差による上昇気流をうまく利
用した熱源装置です。風は冷たい方から温かい方に流れる(空気が膨らむ)、風
は上昇するとともに酸素を運ぶ、京都の町家の中庭の知恵や山と海の高低差の
風の起こり方など体感できる事例と合わせて、ロケットストーブの断面構造を
理解しました。木っ端に火をつけて鍋に湯を沸かしました。さらには簡易なロ
ケットストーブ作りの実演も。その辺りにある簡単に手に入るもので実際に作
れることが一番大切なこと。その力があれば非常時もバッチリですね。

最後に…ケンさん語録「火を起こせない人は一人前ではない」
そういうケンさん、まだ火が起こせないんだってー。
わたしもやってみよーっと

受講生:はに(長渡信子)


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第8回
  重要機能のバックアップ 水の活用

地球規模の循環とは、海水の蒸発による雨と森林の蒸散による雨が地表や湖に
落ち、地下水脈や川を通って海へ還ることである。また、私達の暮らしにおけ
る水の循環とは、「人間がたくさんの方法で水を集めて、その品質に合った使
い方で何度も使い、純粋な状態で大地に還すこと」である。
水を集める具体的な方法として、雨どい、メッシュ布、樹幹を利用する雨水タ
ンクがある。 
水の使い方は様々であるが、トイレから出る排水をブラックウォーター(排水)
といい、台所・洗濯・風呂から出る排水をグレーウォーター(雑排水)という。
それらを大地に還すため純粋な状態にする方法を、浄化という。浄化は、微生
物処理(無機化)、沈澱、ろ過の三段階を経て行われる。
浄化装置は、「三尺流れれば水清し」の通り、自然の川の自浄機能の仕組みを
再現する。ガーゼ・活性炭・小石・砂による浄化、バイオ・ジオ・フィルター
(グレーウォーターを多孔質の砂利、炭、砂など、微生物の住処の層を通して浄
化する装置)による浄化、フローフォームによる浄化などがある。
次に、ハニーガーデン内の樹幹水の水質テストを行い、通常の雨水に比べ、ミ
ネラルの成分が多いことが確認された。そして、その水を活性炭により浄化し
た水を皆で飲んで、結果を確認した。
そして、ハニーガーデン内にある、雨水タンクとセルフウォータリングポット
(毛細管現象を利用し、植物を栽培する装置)を合体させた、雨水タンクの上で
直接植物を栽培する装置について説明を受けました。
振り返りの中で、雨水タンクを是非自宅に取り付けたいという意見が相次ぎ、
関心の高さが現れていました。
私も、人が生きる上で最も重要といっていい水の循環について、今後さらなる
学びを深めていきたいと思います。

受講生:のぶりん(高嶋 宣雄)


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第7回
「生物資源の活用、養蜂とミツバチの世界」

「生物資源って何?」という抽象的な質問からスタートした第7回講座。
化石燃料以外の物が生物資源であるのだが、
今回の主役〈ミツバチ〉は、移動可能な2kmの生活圏の中で、
生物資源の足りる生活、持続可能な生活をしているのである。
花の蜜を吸っても花を枯らさず、実を付ける助けとなるというのが素晴らしい。
人間はどうだろう。「いただきます」と共に命をいただいている。
またすぐに生まれる命なら、持続可能な生活となるのだが、
生まれるのに長い月日がかかるものは、次使うまでに間に合わなくなる。
ミツバチの生き方は本来の生き物の生き方なんだなと納得。
急にミツバチがパーマカルチャーの師匠に思えてきた。

しかし、残念なことにミツバチのオスは仕事をせず、交尾のためにフラフラ
飛んで、交尾ができなければ巣に戻ってご飯を腹いっぱい食べるらしい。
「こんな男になりたいですか?こんな夫は要りますか?」という講師の力の
入った質問に皆笑う。そして、そんなオスは冬に巣の前で締め出しをくらい、
凍死するらしい。それが自然なのだ。妙に納得。

今私がやっている、実験『お花摘みに行ってきます』内容としては、
ダンボールバイオトイレで排便し分解の過程を見てみることなのだが、その後
の土っぽくなった便をどうするのかが今の課題。
今回の講座でも、排泄物廃棄物を地域内で循環させられる量であることが、生
き物がそこに暮らす適正量であること。それを超えるだけの生き物がいれば、
キャパオーバー。淘汰されていくのが自然の仕組みなのであるとのこと。

私も淘汰されないように、便をどないかして家庭内で循環できるようにした
いなあ。

受講生:Slow Sociey@ 霞末(かすえ) http://slowsociety.memenet.jp


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第6回

今回の講師は滋賀の近江で農家をされている
「野菜と旅する」の松本まみさん。

◎松本まみさん自己紹介
野菜を育てたこともなく、種取り農家になることも考えてなかった2009年。
苦楽園でパーマカルチャーの講座を受講。
野菜を育て、その種を取って野菜を育てる。
これで自給自足ができるのでは?!
と考え、10年前に種と出会う。
そして種の調査に同行しサラリーマンを辞め、
三重県伊賀の有機農業の会社で経営を学んだうえで独立。
今は「野菜と旅する」という屋号で活動されているとのこと。
固定種野菜も育てているが、今の主力野菜はスイカ。
固定種だけでは経営が難しく経済的循環が大変と、
現在の状況についてもお話いただきました。

◎タネの話
ホームセンター等で種を買う際の注意ポイントを教えていただきました。
・「〜交配」「1代交配」と書かれたものはF1
・「〜選抜」と書かれたものは固定種
・「○○EX」と書かれているものは種ができない品種

◎タネの取り方
配られたプリントの「種取りリスト」を見ながら
ダイコン、ナス、トマトなど身近な野菜の種を取る方法と注意点を解説
してもらいました。共通するポイントは
・コレが食べたい!と思うもの、美味しそうなものを残して、種取り用に
・できれば種は冷蔵保存が良い
・種は暑さと水分を嫌うので紙袋保管を推奨
「コレ食べたい!」と思うものは真っ先に取ってしまうので、種を取る場
合はグッと我慢しないといけません。
種取りした種は、最後にみんなで分けました。
この種は、まみさんの畑で育ち受け継がれてきた種なので、絶やさぬよう
に受け継いでいきたいと思います。

◎キーホールガーデンの手入れ
種取り後は、それぞれのキーホールガーデンの手入れをしました。
積層マルチにした牛糞から生えてきた牧草と、かぼちゃが縦横無尽に伸び
まくってカオスに…
キーホールガーデンの手入れというよりも、ほぼ草刈りで終わりました。
自分のグループの畑は、枝豆が少しだけ取れました。
帰って茹でて食べたら、豆の味が濃くて美味しかったです。

受講生:市之瀬摩衣子(いっちー)


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第5回

第5回の菜園講座は平谷けい子先生の「摘み菜」の講座でした。
開始当初こそ、平谷先生のパワーに受講生が少し圧倒される雰囲気もありま
したが、先生のテンポの良い会話やユーモアに溢れた話に、最後までとても
楽しく講座を受けることができました。
講座の内容は、まずレジュメの説明の後、山道を歩きながら見つけた野草の
説明をしていただきました。特にヨモギとブタクサの見分け方、そして普段
厄介者として扱っている野草の名前が〈荒地野菊〉と言う名前で、食べても
おいしいと聞いた事が一番印象的でした。
その後、先生が考案した7種の料理を作るためのグループ分けを行い、それ
ぞれ作業を開始しました。野草料理と言えばおひたしや天ぷらになるのだろ
うと思っていた私の予想を超えて、お茶、ふりかけ、オムレツ、デザート、
スープの具や、肉巻にしたり、ソースに加えたり野草の特徴を生かした発想
豊かな料理ができあがりました。さらにどれもおいしいくお腹いっぱい摘み
菜を楽しませていただきました。その中でも癖のある〈ドクダミの葉〉は、
お肉に巻いて食べるとパクチーの風味に近いことや、〈アオミズ〉は和食に
合いそうな上品な味で、自宅で育てたいと思ったくらいです。ほかにも、
〈こぶしの葉〉や〈ムクゲの花〉など、平谷先生が前もってご自宅近くで摘
んでこられたのですが、摘み菜を見つけたり頂くときには摘み菜と会話をす
るそうで、ここにいるよ!と摘み菜から声をかけてくれたりする話が印象的
でした。
 その後はそれぞれのキーホールガーデンの手入れや野菜の収穫を行いまし
た。ひと月でトウモロコシが背丈ほどの大きさになっていることや、インゲ
ンマメなどが実をつけていることに感動しました。放置してここまで育つ作
物を見て、改めて積層マルチの効果を実感いたしました。
私も講習会のあと、職場の敷地に何気なく生えていた木が〈アカメガシワ〉
だとわかっただけで嬉しく、もっと多くの野草と四季折々会話ができるよう
になりたいと思いました。

受講生:鴨谷(かもちゃん)


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第4回

今回は、以下3テーマでの作業でした。
〈ダンボールコンポスト講座〉
講師は大重文恵さん。団地に住まいながら畑もされパーマカルチャーを取り
入れた循環する暮らしをされている方でした。大重さんの暮らしぶりにも刺
激を受けました。実習でダンボールコンポストを作ってみると基材(籾殻く
ん炭、おが屑、剪定チップ)を水で湿らせ、具材を入れお古のTシャツを被せ
ると出来上がり。大きさも重さも思っていたよりコンパクトに感じました。
実際に大重さんの使用中のダンボールコンポストを見せていただきましたが、
臭くない!土に近い感じです。気になっていた虫への誤解、におい、雨対策、
風通しなど分かりやすく教えていただきました。ある自治体ではゴミ減量化
事業のひとつとしてダンボールコンポストの成果がでており助成もあるとい
う、社会的な動きも知ることができました。大重さんのお話の中で、「ダン
ボールコンポストはいろんなものの力を借りている、微生物とのバランスが
大切」「コンポストの堆肥はそのまま土になり自分になる、食べても触れて
もよいと思うものを入れる」というお話がありました。ダンボールコンポス
トは小さな世界ですが堆肥になる過程を目の当たりにすることで、自然界の
多様性やいろんな生き物が絶妙なバランスをとりながら協働していること、
日頃の食生活への意識というような大きな気づき、学びにつながると思いま
した。自分の生活を振り返って、エネルギーの流れが一方通行だと再認識し
ました。マンションだから難しいかもと思い込まず、今年からベランダ菜園
も始めたのでもう一歩、小さな循環を作っていきたいと思います。
〈ボカシ肥作り〉
ボカシ肥は日本発祥で作り方や材料はいろいろ。母乳から農薬が検出された
出来事がきっかけで広まった有機農業で高名な保田茂先生の保田ボカシもあ
ります。実習では国産油かす、こめ糠、水分で作成。含水率40%くらいの感
触を教えていただきましたが加減が難しく少し湿り過ぎになってしまいまし
た。カビが生えなければいいのですが。
〈キーホールガーデン作業〉
先月の積層マルチ作りと植え付け以来何もしていなかったのですが、種も発
芽し成長した姿に感動しました。また支柱はナスとトマトでは作り方が違い、
これからの成長の姿を知った上でそれぞれに沿った組み方を学びました。来
月はどんな育ちになっているのか楽しみです。

受講生:くにさん


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第3回

いつものように、過ごした時間や今回は、これから過ごしたい時間も入れた
お話タイムから。この時間がわたしは大好きです。皆さんとの距離がぐっと
深まる気がして、新しい発見もあったり、共感したり。これもパーマカル
チャーの原則の多重性?多様性?になるのかな。帰りのバスでも他の方と話し
てました。あの共有する時間がきっと大切だよねと。あの時間がある事で吸
収率も消化力もぐぐっと上がっているように思います。

持ち寄りランチタイムはいつも通り盛りだくさん。もう次回からはご飯もい
らないのかも、という有り難いレベルでした。どれもこれもとても美味しかっ
たです。大根の実をはじめて見れて食べれたのも嬉しかったです。

そして植え付けデザイン発表へ。どうなるかな〜と思っていましたが、他の
班の方のお話を聞いたり、ケンさんアビクさんのアドバイスを頂き何とか
なりそうな気配。
で、いよいよ植え付け実習に!暑〜〜い中まず草刈り。先月来た時とは大違
いで背丈の長くなった草たちを刈るのに汗だくでした。その後前回の復習に
なる積層マルチを作って、班ごとに苗や種を植えていきました。積層マルチ
は、窒素層、炭素層を交互に重ねて手間を掛けずに土壌を作っていく。刈っ
た草、米糠を撒いて、次は濡れた新聞紙、その上に牛糞肥料、最後に木の
チップ、いい香り。コンパニオンプランツは、植物の個性を活かし合う組
合せを考えて苗や種を植えていきます。色んな植物を組合せる事で成長を
促進し合ったり、虫を遠ざけたり、支柱になってくれるもの、日陰を作っ
てくれるもの、土壌を豊かにしてくれるもの、それを栄養に豊かな実をつ
けてくれるもの。土や光を取り合わない組合せだと、以外と近くに植えら
れて面白い、なかなか頭を使います。多様性の豊かさを自然界から教わっ
ています。バジルの種小さくて、何粒置いたかどこに置いたか、わからな
くなってきて焦りました。来月どうなっているかどきどきです。

少し早めに帰ろうと、後片付けもしないまま後にしてしまって、残られた
方大変でしたよね、ありがとうございました。

受講生:藤本綾子(あやちゃん)


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第2回

私が菜園講座を受けようと思ったきっかけは、自然農法で育てられた茄子が
宝石のように輝いていた事、それを食べたら美味しくて感動したんです。
なので、自宅の庭でも茄子やシシトウを育てたいという思いが強くなり、
パーマカルチャーの菜園講座に申し込みました。今回は第2回目で
・パーマカルチャーデザイン原則
・レイズドベッドづくり
・積層マルチの作り方
・仲のいい植物(コンパニオンプランツ)
ただ、光り輝くナスが自分で作りたい!という思いで参加したのですが、今
回も講座の内容も、自然界の永続性や生態学の知識について学び考えさせら
れる内容でした。パーマカルチャーデザイン原則では
「循環性」「多様性」「多重性」「合理性」についてお話を聞きました。
私達は、なんでもお金でものを買い、たくさんのゴミをだして生活していま
す。それが自然にとって負担になっている事を再認識しました。日々の暮ら
しの中で出来る循環性を取り入れる事、我が家にはコンポストがあります。
暖かくなってからコバエがすごいです!この小さな問題も乗り越えながら出
来るだけ自分が出したゴミを家庭菜園に利用できるようにしようと思ってい
ます。買い物も何気なく買っていますが、この買い物も自然環境にどんな影
響があるのか少し意識するようになりました。
面白かったのは、生きる暮らしに必要なものは、3つの供給源をもつ事です。
「食べ物」「家」「水」「エネルギー」「仕事」「繋がり」
3つの供給源を確保しようと思うと、必然的に繋がりや行動が変わってくる
ようにも感じました。今、自分にはどんな供給源があって残りはどうやって
作っていったらいいか考えてみると楽しいです。循環性以外もエディブル
フォレストガーデン、多重性を備えた自然、多様性がないと絶滅する事、違
うものが接触するところに豊かさがある(エッジ効果)これは人間関係にも当
てはまるなぁ〜と思います。
次にレイズドベッドづくりと積層マルチ。
初めて電気のノコギリで木を切ったり、電気ドライバーで釘を打ったりしま
した。普段こんな事はしないのですごく楽しかったです。また何か作りたい
です。積層マルチは窒素→炭素→窒素→炭素の順に作ること、抜いた雑草→新
聞紙→牛糞→木片チップです。こんな層にすると初年度から作物がたわわに収
穫できるらしい。みんなでする作業は楽しかったです。
最後にギルド、仲の良い植物について講義を受け、次回は自分たちでデザイ
ンしてキーホールガーデンを作ります。チームに分かれて何をどんな配置で
作るか作戦会議をするためお互いの連絡先を交換して交流が深まっていきま
す。あー今回の持ち寄りランチタイムも幸せな時間でした!これが一番の楽
しみですね実は笑

お知らせ:                                                                 
宝石のような茄子を見た畑に関わりのある上映会のイベントを立ち上げています
ご興味ののある方は是非
https://www.facebook.com/events/1144826522356849/?ti=icl

受講生 : あいり


■「はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座2019」第1回

自己紹介、ガーデン案内、昼食、映像使ってのパーマカルチャーデザイン原則
の説明、ポテトタワーでじゃがいも植え付けというのが初回の流れでした。
 振り返ってみて印象に残った事を少し書いてみます。やはり参加された皆さ
んのこの講座にたどりつくまでの来歴や講座参加へのモチーフでした。
週日ということもあるとは思いますが、定年過ぎた高齢の私と、仕事を辞めて
自給的な生活を目指しておられるもう一人の男性を除いて他の受講生はすべて
女性でした。子育ての中で子どものアトピーや子育ての問題がきっかけになっ
たり、自分の自然志向、前古代志向が周囲との異和を生み出したり、地域と人
のつながりの解体に直面して、現在の社会システムに疑問を抱き、パーマカル
チャーに一つの可能条件を見出したい、あるいはすでに既成のシステムから離
脱して自給的な生活を始めるにあたってパーカルで技術を身に着けたい、まさ
にそういう女性たちでした。私が関わるトランジション活動でも、やはり女性
の方が多いように思います。一面的な見方かもしれないですが、ジェンダー差
別と言える女性の家事育児固定化(まあ賃金奴隷に固定化された男性の裏返し
ですが)は、しかし一方で男性よりはるかに多層的な生活の中に女性を置く事
で、世界の歪みへの多様な気づきの機会を与えているのかもしれません。

受講生:えーちゃん(トランジションタウン川西)