パーマカルチャー菜園 食べる循環講座レポート 17’


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はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 総括レポート    
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野菜を育てよう!と思い、小さなレイズドベットを作ったところまでは
よかったのですが、無農薬で化学肥料も使わずに育てるにはどんな「土」に
すればいいのだろう?自家採種をするなら苗や種はどこで調達すればいいの
だろう?とスタートで躓いていた時、パーマカルチャーに出会いました。


春からの講座は、そのまま自宅の菜園作りで実践していける流れで進みまし
た。土の作り方、育てる植物の選び方、肥料の作り方…。水やりもせず放っ
たらかしで野菜が育つと知り、自宅菜園でもその方法を採用。ちゃんと収穫
できました。

 

野にある食べられる植物を学ぶ摘菜、ストーブやミニコンロ、コンポスト、

自家採種、パーマカルチャーの考え方や手法を知ることは心丈夫に生きていけるようになること。それは自由でいることにもつながっているようです。

 

テーマごとの講師、パーマカルチャーの先輩たちの話を聞いて、環境負荷かけすぎの自分の暮らしぶりに落ち込んだりもしましたが、自分が心地よくいられるバランスを探しながら出来る範囲で出来ることをと思っています。

 

今、9ヶ月の講座を終えて自分が変化していることを感じています。

 

毎回の講座のスタート「ふりかえりタイム」1ヶ月で起こったことをシェアする時間は、自分の考えていること感じていることを素直に表現する訓練になっていたようです。

 

子供達に働きかけたい「西宮の小学校にエディブルガーデンを作りたい」そう考えるようになり、それを色んな人に伝え共感してくれる人を見つけるために動く。

 

不思議なくらい躊躇なく行動できているのは、きっとこの 9ヶ月のおかげです。安心して心開き打ち明けられる、そんな環境を作ってくれていた皆さんに感謝してい ます。大切なものを手にすることができた時間でした。ありがとうございました。そして、これからも益々よろし くお願いします!

(修了生:冨田ちなみ)



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        はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第9回               

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11月22日朝。本日パーマカルチャー最終回。この一ヶ月もあっという間に過ぎてしまった。立冬がすぎてから寒さが厳しくなって小寒を迎えて一層冬らしくなってきた。今日の天気予報は曇り後雨。思い返せば全9回のうち、晴れは2~3回だけだったような・・・。だけどパーマカルチャーと出会って、雨も喜べるようになった。自然界には必要なことで、地球自体がバランスをとろうとしている現象だし、生物が生かされていく上で恵の産物だから。

でもって、いつもと同じく45分遅刻して現地到着。かいしくん、じゅんちゃんの姿が無くて涙。お二人ともまた会おうね。

定例の一ヶ月の振り返りの時間。悲しいことに、今日はもうみんな終わってしまっていた。

そして筒井さんことつんつんさんによるトランジションタウンについてのお話。つんつんって可愛い相性だけれど、その肩書きはトランジション「ジャパーン」の理事。こんなお方とも出会えるってけんさんの人徳だなって、あらためて感動。

トランジションタウンのこと全く知らなかった僕としては全てが斬新で楽しい話。内容を要約すると、

持続可能・みんなが笑顔・食、エネルギー、お金、仕事を循環させて繋がりながら自給を目指す市民運動。

TT=楽しくつながる。

想像力を発揮しながら底力(レジリエンス)を高める実践的な提案活動。

3人で始められて、やりたい人が、やりたいことを、やりたいときに、やりたいだけ、たのしんでやる。

ぬぬ、ほとんどいただいた資料のまる写しになってしまった。

でも、これってすなわちパーマカルチャーそのものなんじゃない。違いってなんだろう、なんて疑問に思ったけど、そんな線引きなんていらなくて、違うようで似ていて、つながっているよなって勝手に解釈。そんな柔軟な考え方ができるようになったのもパーマカルチャに出会ってからだなってひとり感慨にふける。

この話の中で、さらに印象深かったのが、意見の違う人と敵対しないで、まずは相手の意見を受けとめて、相手のことを尊重してそのうえで、自分の意見を伝える。ってこと。

これ、重要。難しいけど。でもそうすると、衝突しないよな~。調和できるよねって痛感した。

そして、相手にわかってもらう、知ってもらう手段として3H(Heart心、Head頭、Hand体)があるって話。心で感じて動く人、頭で理解して動く人、実際に体感して動く人、それぞれあって、その3つのHを使い分けたり、併せたりでアプローチすれば、必ず伝わるはずって感じた。伝えるときは偏らないように、自己満足に陥らないように気をつけないと。ぽぽさんの言うとおりです。

そうそう、実際にトランジションタウンっていう組織じゃないとしても、昔から地域通貨を扱っていたり、物々交換があったり、そんな地域もたくさんあるよって知って驚いた。

鎌倉の話も面白かった。市のゴミの半分以上が観光客の出すものであって、市民が一体になってごみ箱除去して結果して消却所立て替えを白紙にしたって。市民が一体になるのってすごい。

それから、鎌倉にも拠点があって活動してるって話。鎌倉ってがっつり観光地で、富裕層しか住んでいなくて、がっつり金儲け主義者ばかりかと思っていた(思いっきり偏見)から驚いた。

全国に50もの拠点があって,大なり小なり活動されていて、本当に心が豊かな人があつまっているんだろうな~って安易に想像できた。中には、そのメンバーから村長になった地域もあるとかで。ゆくゆくはそんなところに移住したいって思った。

まずはYouTubeで活動の画像を観ねば。つんつんさんの楽しそうな雰囲気がとてもつたわってきた。

ちょっと脱線。毎回、感じていたけれど、けんさんがたのしんでいるのってとてもよかった。主催者の方が楽しんでいると、受講者みんなにも伝染するから。けんさん、主催者なのに楽しんでいてごめんなさいって何度か言っていたことあったけど、その逆で、楽しみながらしてくれてありがとうでした。

そしてお昼ご飯。いつもたくさんの方が心のこもった一品を持ってきてくださって。今回はどの品がどなたのかわからず、いただいてしまった。どれもみんなおいしくて、皆さま本当にごちそうさまでした。

いけちゃんの話。料理できないからって、前回に続き、自家製茶葉のお茶を振る舞ってくれた。わざわざカセットコンロにやかんと水を持参して。いけちゃんの優しい人柄が滲み出てて感動。自分の出来ることを背伸びせず出来る範疇で人のためにおもてなし。これって、まさにトランジションタウンの生き方ですね。とにかく寒かったから、暖かいお茶がなお一層ありがたくて、みんなホッとしてた。いけちゃんありがとう。

午後からは、炭コンロ作り。どこぞの業者が作ったキットではなく、それぞれ単品では違う用途の材料を工作。手作り感全開だけど、ネジの長さで2層目の材料を固定するなんて緻密な計算もされていて、感動ものでした。使う工具の中には、またもや初めて見るもの触れるものが多くて驚いた。

道具について。よい道具を使うことはかなり重要ってこともパーマカルチャーに参加して学んだ。よい道具があるとよい仕事ができる。何の世界でも共通してる話。以前は安物買いだったけど、最近は本当に必要なものは、できる限り本物であったり良いものを選ぶようになった。

それから、道具が進化して便利になるほどに、リスクも大きくなることの意識を忘れないことも大事。一回のミスが大きな事故につながるかもしれないから、作業の時は、くれぐれも安全第一で。今回は、太郎さんの懇切丁寧なご指導のおかげで無事に怪我無く終了。太郎さん、ありがとうございました。

出来立てほやほやの炭コンロでけんさんがコーヒーをふるまってくれた。とても美味で、温かくて嬉しかった。ごちそうさまでした。

そして最後の振り返りの時間。 4月から始まった全9回のことを一言でまとめるのは困難だった。みんなも苦慮してた。でも総じて、みんなの心はお互いへの感謝で溢れていて感動した。しっかり雨も降ってきて電気もなく真っ暗な中で振り返りをするのも、パーマカルチャーらしくてよかった。

そして懇親会へ。懇親会の詳細はちなみさんにお任せするとして、ぷーさん、おいしい料理の数々を格安で提供してくれて本当にありがとうとごちそうさまでした。

最後に、素敵な皆さんに出会えたことに心より感謝。これからが始まりってくみちゃんの言うとおり、これからも同志として末永くつながっていけたらって心底思う。

けんさん、講座を開いてくれてありがとうございました。そして場所を提供してくれたぷーさん、ありがとうございました。

写真を全く撮らなかったので、撮られた方、ぜひ掲載をお願いします。

では、皆さま、またお会いしましょう。それまでどうかお元気で。

 

(受講生:永田武司)



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        はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第8回               
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~種~

普段は設計事務所をしながら二児の母、半田智子と申します。
仕事も生活も分けずに興味のあることを楽しみながら過ごして行きたいと思
い受講させてもらっています。
今回は滋賀で農業されている松本真実さんを講師に迎えて、色々な角度から
学びました。野菜から種を取るんだろうな…と漠然と講座に臨んだのですが、
皆の好きな野菜の種を取ろうということで、種子の特徴であったり、たくま
しい?!先生の経験を元に実際のところ種取りが簡単or難しい…など肩ひじ張
らずに話をすることになりました。特に興味深かった話は世界地図を見なが
ら「農業は一体いつ、どこから始まったのか?」という話で始まり、日本は
チベットから種が伝わってきたとか…ひょうたんが出来ることで水を入れて
初めて遠出できるようになったとか…種って文化なんだな~と遠い昔に思い
を馳せることになりました。そんな話の後に実習として、ニンジンを畑に寝
かせるようにして土で埋めました。こうすることで春には花が咲き、種が採
取できるそうです。
野菜をつくることで精いっぱいなところがあるので、種も自分達の畑で取れ
るようにする(自家採取)というのは最初はハードルが高いなと感じました。
ただ、歴史だったりその土地に合う野菜の話を聞いた後に、自分の畑で種取
りをして行くと自分好みの野菜を選んで種を取る事になるのでその循環で畑
に合ったものが採れるようになって行くという話を聞いて、すごくストンと
話が頭に入ってきた気がしました。まさにパーマカルチャーです。
講座ではバイオテクノロジーの話も出たりしたのですが、色々操作してこね
くり回しているものより自家採取は自然だなと思えました。
難しいものも実際ありそうですが、まずは簡単なものから始めてみます!

(受講生:半田智子)


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第7回 ◆◆ 
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~緑肥~

今回も毎回同様、初めは参加者の皆さんの前回の講義から各自の日常での出
来事やその後の活動、それらを通じての感想などをシェアし合う時間を持ち
ました。
海外の旅から帰ってこられた方もおられ、北欧の社会の価値観やあり方など、
日本国内の現状を踏まえてとても考えさせられるお話もありました。
その後、今回の講座のテーマ「緑肥」の利用、コンパニオンプランツについ
てのレクチャー。緑肥の種類として、イネ科(ライ麦など)は固い土壌を耕す
はたらき、マメ科(クローバーなど)は根粒菌が根に共生する性質により土壌
に窒素固定するはたらき、ヒマワリなどは菌根菌(きんこんきん)を根に共生
し、広い範囲にその菌糸を伸ばし土中のリン酸やマグネシウムなどのミネラ
ルを吸収して集めるはたらき、ユリ科(ニンニクなど)は共生する拮抗菌のは
たらきで病害虫が減ること、緑肥を土中にすき混んで使う注意点として、花
が咲く前(生殖成長になる前の栄養成長の段階)に行うこと、その他にもバン
カープランツの説明などがありました。
その後菜園で実習としてコンパニオンプランツの植え付けがあり、にんにく・
マリーゴールド・ブロッコリー・キャベツなどの植え付けを行いました。
なんとか天候もギリギリもち、自然農薬としての木酢液の利用方法について
講義があり、最後に参加者全員で今回の講義を通しての各自のふりかえり。
今回も盛りだくさんの内容で、実際に自分で実践して理解するのに時間がか
かりそうではありますが、残り少なくなった講座に向けて実践していきたい
と思いました。

(受講生:池田 誠)


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第6回 ◆◆ 
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~水の循環~

いつもは1ヶ月のふりかえりから始まりますが、今日は菜園の様子が気になり、
みんなの足は自然と菜園へ…が、草たちが大きく茂り、菜園へ行くのも一苦労。
仮払い機で草を刈っていただいて菜園へ行ってみると、野菜たちもワイルドに
生い茂り、ズッキーニは元気すぎてレイズドベッドからはみ出していました!
1ヶ月お世話できなかったのですが、それでもミニトマトやオクラ、ゴーヤ、
トウガラシなどを収穫することができました。野菜たちの生命力の強さに圧倒
されるとともに、改めて自然の恵みに感謝の気持ちが沸いてきました。

そして、今日のメインテーマ、“水”について。
まずは水の循環についてみんなで考えました。わかっているようでよく
わかっていない事に気づき、蛇口をひねると水が出てくることに慣れてし
まって、ふだん水について意識していないことがわかりました。
私も22年前の阪神大震災の時に、ライフラインのありがたさと脆さを実感
したはずなのに、忘れてしまっていました。改めて意識するように心がけ
たいと思いました。次に、ペットボトルを使ってセルフ・ウォータリング・
ポットを作りました。毛細管現象によって自然に水を吸い上げ、水やりし
なくてもよい優れものです。植えるものは、ハーブ類や葉物、水耕栽培に
向くものがよいそうです。ペットボトルの再利用にもなるし、かわいい入
れ物に入れたり、布やリボンで装飾すると、素敵なインテリアにもなりま
す。パーマカルチャーの技術を学んでも実践が難しいものもありますが、
これは誰でも手軽に生活に取り入れられて、パーマカルチャーを知らない
方にも勧められるのでとてもいいなあと思いました。

また、竹を縦にして雨どいとして使うとき、中の節をどうやって取り除く
かというお題が出ました。竹を横に割って節を取り除いて接着するとか、
高圧洗浄機を使うという意見も出ましたが、使うのはコップ2~3杯程度の
水だけというヒントにみんな頭をひねりました。答えは…。
実際にやってみて、竹が固くなっていたせいか見事成功!とはいきませんで
したが、昔の人の知恵に改めて感心しました。

3月に講座が始まって早くも5ヶ月がたち、子どもたちの仲良く一緒に遊ぶ
姿に成長が感じられるという声も聞かれました。
また次回、皆さんと一緒に学べることが楽しみです!
よろしくお願いします。

(受講生:中島尚美)



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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第5回 ◆◆ 
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 ~生ゴミコンポスト~

西宮の講座、チャッタナの森の講座のダブル受講をしている、近藤久美子です。
どの講座も、居心地の良い人たち、元気な子供達に囲まれて、気持ちよく受講
しています。今回は西宮の講座のレポートです。

毎回講座前には、1人1人のこの1か月間にあった事の振り返りをシェアします。
今回は、心の内面の事とか、こうなっていたい心の在り方とか、気づきとか、
今までより深い話が多く、今まで以上にその人となりを知る事が出来たなあと
思いました。こんな事を感じているんだな、と私自身にも気づきが貰え、シェア
の時間は私の好きな時間でもあります。

全員の順番が終わったのが11時半近く。その後、皆が育てているレイズドベッド
の菜園の手入れ。うちのチームの菜園は、ラベンダーが咲き、ワイルドストロ
ベリーの苺の実もなってました。 ミニトマトは芽が広がって凄いことに。

他のチームも、ズッキーニ、ナス、 トウモロコシがいい感じで育っていたり、
プーさんのお母さまから頂いたお豆の種が、 ビヨーンとあり得ないくらい成長
していたり、それぞれ楽しく収穫しました。

午後からは「生ゴミコンポスト」について。
最初に、栄養素の循環とは?のお話。
生産者→消費者→分解者→生産者→消費者→分解者(円になって循環していく)
循環していくと栄養素をその場所で賄えて外から調達しなくてもよい。エコです。
人間は食べて消費してばかりですが、 生活していく上で出る生ごみをコンポス
トにしていく事で、ゴミも減らせるし、良い土壌づくりにもなるし、とても良い
事だと思いました。
ケンさんのリンゴ箱で出来た生ごみコンポストもお洒落です。 全然匂いません。
ピートモス+くんたんのコンポストと 竹パウダーのみのコンポストを見せても
らいました。簡単に出来るダンボールコンポストの作り方も教わりました。
生ゴミは入れすぎてもダメみたいですね。

箱のふたは、この時は使わなくなったTシャツを上に被せて、 紐で箱を縛ってい
ました。ケンさんの、お友達のポールさん(だったかな?)との思い出のTシャツだ
そうです。ふたに使うものは、通気性が良いものだといいとの事です。

それから、積層マルチのおさらいをしました。
積層マルチの原理も、コンポストと同じ原理だと分かりました。
積層マルチも2年目以降が特に良い土になっていくそうです。

最後は、ワイヤーメッシュという金網のようなもので、コンポストを作りました。
来年位になると、カボチャとかは実ができたりするそうです。

最後の振り返りは、バスの時間と重なって人数が減りましたが、
「夏の暑さで体調が今ひとつの人が多かったけど、 ここに来ると自然の風に
当たったり土に触れたり、 皆に会って元気になる」
そういう事を話す人が多かったなと感じました。

今回も、子供達の遊んでいる姿、それを皆が温かく見守る姿がいい感じでした。
私もほっこりした気分になって元気をもらえました。
いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
 
(受講生:近藤久美子)


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第4回 ◆◆ 
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 ~摘み菜は身近な宝物~

今回は、摘み菜を伝える会代表の平谷けいこ先生と、野草茶の梅垣正治先生を
お迎えして、摘み菜について 発見、発想、発信する機会をいただきました。
この一か月の各自の報告会を経たあと、平谷先生に改めて自己紹介をしましょ
う、という段になって、先生から
「名前をフルネームで。今日ゲットしたいものは?ひとことで。そしてどこから
来たかをおしえてください」
とのリクエスト。そこから、平谷先生の世界が始まりました。 名前をフルネー
ムで呼ぶことの意味、今日ゲットしたいものをひとことで瞬間に言える事の意
義など、平谷先生の鋭い視点が入ります。野の菜(=野にある食べられるもの)
は、ヨモギ(キク科)、ススキ(イネ科)、クズ(マメ科)に分かれ、野菜という
区分では、それらがそれぞれ、キク科は菊菜、春菊、レタス、ゴボウ、イネ科
はイネ、麦、トウモロコシに、マメ科は大豆、さやえんどう、枝豆、小豆 等に
分類できることをみんなで理解し合いました。
<発見>
周辺に生えている草から、夏を涼しく過ごすために使える草をパッと見分けて
摘んできてください、という先生の指示のもと、各人が自分の考えで葉を選ん
で摘み、テーブルにならべ、その部分をなぜ選ぶのか、理由を探求しました。
柔らかい葉を選ぶとか、葉裏や付け根など、摘む際にも瞬時に判断する点があ
ります。 そして先生は、摘み菜は瞬間で摘むものだ、とおっしゃいました。
時間をかけて摘むのは摘み菜ではなく、歩きながら瞬時に判断して摘むのだと。
そして摘むときにも野の菜にお礼を言いながら摘ませてもらってね、と。
その後、机から離れて、畑周辺の小道へ。ポケットサイズで、野草を中に入れ
られるように先生が工夫してくださったメモを片手に、梅雨空のうっそうと
茂った草むらを目の前に発見タイムです。発見とは見分ける目を持つという意
味だとの事。 アキノノゲシ、アメリカせんだん草、みょうが、ふき、クワイ、
ヨモギ、ススキ、クズ、 せり、などなどを、見て、匂いをかいで、触って、
口にして、歯ざわりや苦み、香りなどを全員で確かめました。
<発想>
発想タイムとして、この野草を使った料理をする課題があり、受講生が汁物
チーム、焼き物チーム、和え物チームに分かれ、どれがどんな調理法で何に適し
ているのかを考えながら、野草を選びました。私は、和え物に適した野草って
何だろう?と最初から興味があったので、迷うことなく和え物チームに参加。
アキノノゲシ、アメリカせんだん草、みょうがの葉、そして玉ねぎを使って
和え物を作ることを、メンバーで決めました。あえてレシピは用意されていま
せんでした。灰汁をどう処理するか、何と混ぜて味をととのえるか、 メンバー
と相談しながら想像力や発想力を使って料理するのはクリエイティブで、新し
い組み合わせや、新しい方法が生まれ、即興音楽のように自由で楽しいもので
した。最終的に和え物チームが提供したのは、アメリカせんだん草の白和え、
みょうがの葉の白和え、玉ねぎとアキノノゲシの梅肉和えでした。白和えは塩
とピーナツで野草の味を邪魔しないような味付けをしました。器には、アカメ
ガシワを敷き素敵にデコレーション!汁物チームは、カンゾウの花(先生の台湾
お土産)のおすましに、ツユクサ、みょうがの葉、セリを薬味としておいしく
仕上げました。 焼き物チームは、クワイの若葉と米粉と、ふきの葉と茎を餅
粉と、みょうがの葉を米粉と、ヨモギを米粉と、それぞれ練って、少量の油で
揚げ、チヂミ風にしてくださいました。そのそばで、梅垣先生は、周辺で摘ん
だススキ、クズ、ヨモギをフライパンで煎り、ていねいにお茶にしてくださっ
ていました。個人的にはクズがこんなにおいしいお茶になってしまうのに驚き
ました。私にとって、クズの葉は「カメムシのいる臭い葉」という認識でしか
なかったからです。(ごめんね、クズさん♡) 言うまでもなく、テーブルに並べ
られたお料理は、すべて美味しいごちそうでした。
<発信>
摘み菜は身近な宝物。 来るときは雑草が生い茂るジャングル、という認識だっ
たスペースが、講座の後は、「摘み 菜路(みち)」という視点の転換が、参加
者に起こっていました。 体験する、ということを通さなければ視点の転換は
起こりにくい、というのは自説ですが、 先生からも、知識が知恵になるのは
暮らしの中で使っていくからであり、体験が愛情と結びつけば知恵になる、と
いう深い言葉もお聞きしました。
「自分の舌(ベロメーター)の感覚を使って、選ぼう、自分の舌を信頼しよう」
ほとんどの現代人は、他人が選んだものを食べているがゆえに、自分の舌や感
覚を信じることができない状態になっているというお話を先生がされたとき、
日々の生活で自分が感じていることと重なりました。 自分の感覚を信頼でき
ないと、他人の意見や思想に簡単に染まってしまいます。特に日本では、他者
と違うとネガティブに受け止める方向が強く、自分が感じたことを堂々と表現
できなかったり、自分の感じたことをひっこめたりして周りに合わせてしまい
がちです。 世間や多数意見と、合っているか間違っているか、が常に判断の
基準になってしまい、自らの感覚が信じられなくなり、どんどん頭でっかちに
なる。多数が信じていることを信じてしまう。自分で信じていないものなのに、
信じているふりをしてしまう。そうやって、本当の自分に嘘をつき続け、本当
の自分とますます離れていく…自分を信頼して選択し、選んだものに対する感謝、
畏敬の念を載せて堂々と誰かと分け合うとき、それは知恵へと変わり、それが
先生のおっしゃる「さわやかさ」へとつながっていくのでしょう。私にとって
先生のおっしゃる「さわやかさ」は、自立した幹を持った個人個人が、調和す
ることで生まれる風通しのよい状態、のような気がしました。自然にあるもの
は、すべて自立していながら調和しています。どれひとつとして偽って存在し
ているものもなく、どれひとつとして不要なものもありません。すべてが必要
で、か けがえのない大きな宇宙のサイクルのなかの一つです。そう思うとます
ます自然が愛おしく感じられ、感謝が湧いてきます。
この回でゲットしたいものとして、私は「食べられる発見」を掲げましたが、
食べられる野の菜の発見はもとより、野の菜から自然の愛と宇宙を感じ、人間
の生きる道を諭されたようで、“摘み菜路”が“哲学の道”となる発見をしたよう
な気持ちです。私もますます「さわやかに」、自分の感覚を信頼して、堂々と
分かち合って、地球に恩返ししていきたいと思います。

(受講生:松本理恵子)
ブログ: http://ecola123.blogspot.jp/
FB: http://facebook.com/reecom


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第3回 ◆◆ 
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 普段は、「森のようちえん」の活動と「料理教室」をしながら、もう少しで
3歳になる息子を育ててます。佐道匡子(さどう まさこ)と申します。
「はじめよう!パーマカルチャー菜園講座」へは、息子とオットと3人で毎回
楽しく参加させて頂いてます。
最近、息子は「今日は畑?今日は森?」と聞きます。このパーマカルチャーの
講座へ行くことを「畑」と言っていて、とっても楽しみにしているようです。

【1か月の振り返り】
毎回、はじめに1か月間の気づきや学びのシェアをします。
皆さんのアクティブに活動されてるお話や、前回教えて頂いた堆肥を実践され
ている話を聞いて、とっても刺激になりました。
中には、前回の堆肥の講座以降、今まで雑草をゴミと捉えてたけど、宝の山に
見えてきたり、ただただ疲れる草刈りに意味が見出せて、草刈りの捉え方が変
わったというお話がありました。

【課題の 発表 苗付け】
前回、各グループでレイズドベッドに植える苗を、食べたいメニューを決めて、
コンパニオンプランツや日照を考慮して考えて買ってくるという課題が出され
ました。コンパニオンプランツや日照に関しての説明はあえてなく、それぞれ
で調べてくるというスタイルの課題は、いい意味で私たちの頭を悩ませました
が、前回の講義からの1ヶ月、各グループ、パートナーシップを発揮して、様々
なメニューを考えて、苗を準備する事が出来ました。
各自考えて、調べて、苗を買うことで、説明を受けてから動き出すこととは違
う、沢山の気づきや学びがあったと実感しています。

考えて来たものを実際植えてみて、デザインして来たものとは、全く違う配置
になって、面白さを感じました。これ から育ってくる、野菜やハーブが次ま
でにどんな変化が見られるのか、とってもワクワクしています。

【まとめ】
私たちのグループは、ハーブと野菜を半分半分で植えています。コンパニオン
プランツ等の説明を受けてから、考えていたら、こんなチャレンジはしなかっ
たかもしれません…
今回の講座を通して、とりあえずやってみる!行動してみる!体験を通して学ぶ
事の大切さを改めて考える事が出来、とっても素敵な学びの時間となりました。

(受講生:めぐみと森のようちえん 佐道 匡子)


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第2回 ◆◆ 
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 ~土づくり、畑のデザイン~

毎月、夫婦+子ども(2歳8か月)と楽しく参加させてもらっています。
夫婦で和歌山市に毎日型の森のようちえんを創ろうと日々奔走する中で、
パーマカルチャーに出会い、私たちの暮らしと森のようちえんの保育に活かす
ために受講しています。

今回は「作物を育てるための土づくり」について、様々な方法を学びつつ、レ
イズドベッドでそのうちの一つである「積層マルチ」を試しました。

今回、学んだ土づくりは全て「堆肥化しながら野菜が良く育つ」「まぜたり手
を掛ける必要がない」という利用者視点のらくらく土づくりです。
しかも、いろんな種類の炭素分・窒素分を土に重ねることで「生物循環を創る」
というマインドが根底にあるので、地球にやさしく、かつ微生物も良く育ち、
土が豊かになるというそれぞれの要素が相互に作用して一石二鳥どころか三鳥
といっても過言ではない、合理的な土づくりと感じています。

昨年度の講義場所だったハニーガーデンさんにも、お邪魔させてもらいました。
昨年度受講者で創られた、キーホールガーデンとスパイラルガーデンに、大い
に刺激を受け、自分たちが今取り組んでいるガーデンの未来に胸を躍らせながら、
植わっているルッコラを食べたり、はちみつを試食したり、しいたけを頂いたり
昼食の各自持ち寄りも美味しくて、本講座は食べてばかりです(笑)
この他にも、作物に適した土についてや、種まきと肥料作りについてもレク
チャーがあり、受講生それぞれにとって持ち帰る学びがたくさんありました。

パーマカルチャー菜園講座の魅力的に感じるところは、実践者の「持続可能性」
に配慮されているところ、また必ず「余白」があるところです。大量の資材を買
いだす必要が無く、極端な話、何も買わなくても近くにあるもので出来るので、
パーマカルチャーを活かす私たち自身への「持続可能性」の配慮にも心を毎回動
かされます。また一つの「やり方」を教え導く形ではなく、いくつかのやり方を
提示した上で、参加者それぞれの持つ場所にあった形を模索し、私たち自身で選
択する「余白」を常に残されているというのも、学ぶ側としては想像力が掻き立
てられるのと、スモールステップ・できるところからスタートできるというのも
魅力です。

この2回の菜園講座でパーマカルチャーは「やり方」ではなく、自分がどうあり
たいのかという「あり方」を問うものだと強く感じます。「循環性」「多様性」
「多重性」「合理性」の4つのパーマカルチャーデザインマインドを、その人なり
に大切にしながら暮らしを営むことが、「持続可能な地球」に繋がっていくのだ
と思うと、ワクワクしてきました。それも、私たちそれぞれの与えられた環境の
中で、マンションでも、家に庭がなくても、コンポストがなくても、一人ひとり
私たちになりにパーマカルチャーが実践できる「余白」が残されています。いわ
ゆる田舎で自給自足的な生活をすることもパーマカルチャーな暮らしと理解して
いますが、移住しなくても、都会でもパーマカルチャーができる。そんな「余白」
が用意されているパーマカルチャーは本当に素敵です。
そんなことを「土作り」からも感じられました。
まだ着手できていない、新居の庭造りに早く手をつけたいとウズウズしています!

さて、今回は次回の講座までに宿題が発表されました。
宿題はレイズドベッドを作った受講生ペアで、畑のデザインをするという内容です。
次回までに
1)創りたい料理のメニュー
2)作付する品種(料理で使うメインの野菜など)
3)コンパニオンプランツを意識(日照や病害虫を考慮)して65cm×170cmのレイズ
ドベッド内に品種を配置・デザインの3つを考えます。

そして次回はその案を発表して、作業!
ワクワクします!
多様で多彩な受講生同士の関係性も深まる仕掛けも多く、毎回受講後のアクション
に繋がる本講座は本当に人に薦めたい学びの場です!

(受講生:めぐみと森のようちえん 佐道 大倫)


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◆◆ はじめよう!パーマカルチャー菜園 食べる 循環講座 第1回 ◆◆ 
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 ~地形の読み方と畝づくり、ホダ木づくり~

●地形の読み方
会場を歩きながら地形の読み方についての講義があり、自生している植物から
土地の特徴を知る方法や、木の枝ぶりや影、腕時計を使って方角を知る方法、
石や池の役割、水を確保する方法等を学びました。普段であれば気がつかない
ような場所に、セリやふきのとう等の食べられる植物があることに驚きました。

●パーマカルチャーについて
パーマカルチャーの倫理やデザインの基本、持続可能とは何かを学びました。

●畝作り
今回は水はけが良く、管理のしやすいレイズドベッド(縁を囲って高くした植え
床)を作成することになりました。大きさがバラバラな廃材の木を、初めて使う
丸ノコで恐るおそる切り木枠を作りました。お金を出せば寸法の揃った新しい
物が買える現代ですが、その場にある物を工夫しながら作っていくというブリ
コラージュの考えが興味深かったです。

●ホダ木づくり
きのこの原木栽培について説明を受けてから、しいたけの菌打ちをしました。
収穫までに2年程度かかるそうです。

これから11月まで、この場所で共通する想いを持った仲間と共に、パーマカ
ルチャーについての学びを深めていくのが楽しみです。
                       村田 介志(受講生)